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Q.自治体がエネルギー(電力・熱)を地産地消する仕組みを整備していると聞きました。どのようなメリットがありますか?

前田
はい。自治体が中心となって、地域内に発電設備を設置し、エネルギー(電力・熱)を地元住民へ提供する取り組みが進んでいます。このメリットとしては、下記が挙げられます。

  1. 安定したエネルギー供給が期待できる
    大規模災害の発生などによって地域外の大規模発電所などが停止した場合は、地元に設置した発電設備から住民へ安定したエネルギー供給が可能となります。
  2. 経済効果が期待できる
    エネルギーの地産地消によって、エネルギーの供給と消費のサイクルが地域内で循環し、地域内での資金循環が期待できます。さらに、地域のエネルギー事業が立ち上がることによって、雇用の創出や税収増など地域活性化に寄与することが期待できます。
  3. エネルギー事業とその他事業の連携により相乗効果が期待できる
    エネルギー事業と公共施設管理などの複数の事業を連携することによって、公共施設にかかる光熱費の削減など、さまざまな相乗効果が期待できます。

一方で、エネルギー事業を推進するには、エネルギーに関する有識者の参加が必要ですが、自治体内では有識者が不足しており、なかなか計画が進まないという課題があります。また、発電設備などの整備には多額の費用がかかり、その費用を回収するまでには長い期間が必要です。そのため、事業の見極めに慎重にならざるを得ないという事情もあります。

さらに、エネルギーの地産地消には、住民や民間企業など、さまざまな関係者がおり、利害関係も複雑です。これら多くの関係者との調整を自治体が行っていかなくてはなりません。

そこで、政府は、プロジェクトを推進する自治体を支援するために、検討会を設置し、方針策定、各種調査、モデルプランの構築、設備投資コストの低減方策や資金調達手法などの検討を行っています。

Q.具体的な取り組みをしている自治体の事例を紹介してください。

はい。群馬県中之条町は、自治体による全国初の電力会社「中之条電力」を設立し、再生可能エネルギーの導入を推進しています。町内に3基のメガソーラー発電施設を設置し、発電した電力を、主に町内の役場庁舎や小中学校などの公共施設に供給しています。今後は、豊かな森林を活用したバイオマス(※)発電、豊富な水を利用した水力発電を加え、時間帯や季節、気候に左右されることなく、さらに安定した電力供給をめざしています。また、発電した電気を販売する事業によって得た収益は、地域活性化のために還元するなど、地域活性化に寄与する取り組みとして期待されています。

また、海外の事例として、オーストリアのギュッシング市は、これまで市外から化石燃料からなるエネルギーを調達していましたが、地元産の木材バイオマス燃料への転換を図ったことで、エネルギーの地産地消を実現しました。
これにより、エネルギーにかかる資金の市外流出を防ぎ、さらに、安価なエネルギーコストを求めて50社の企業が立地し、新規雇用は1,100件発生、市の税収入は3倍に増加しました。また、インフラ整備が進み、余った電力と熱は市外へ販売するなど、同市ではさまざまな経済効果が現れています。

※バイオマス:光合成によってつくり出される生物由来のエネルギー資源。
化石燃料の代替として利用することで二酸化炭素排出が低減でき、地球温暖化防止策として注目されている。

よくわかりました。ありがとうございます、前田さん!

(2015年4月22日)

  • * 記事の内容は配信時点での情報をもとに作成しているため、その後の動向により、記載内容に変更が乗じている可能性があります。

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