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Q.「新地方公会計制度」によって、従来の運用から変更となる点は何ですか?

前田
はい。これまで各自治体では、「基準モデル」と「総務省方式改訂モデル」の大きく二つの方式が認められており、約8割の自治体が「総務省方式改訂モデル」によって財務書類4表(※1)を作成していました。
しかし、今回、総務省より統一的な基準を設定した「統一モデル」による作成が要請されており、2018年3月31日(平成29年度末)までの対応が求められています。
「統一モデル」とは、1.発生主義(※2)・複式簿記(※3)、2.「固定資産台帳」の整備、3.比較可能性の確保の3点を促進するために検討されたモデルです。
また今回から新たに「固定資産台帳」の整備が必要となった点も大きな変更点です。「固定資産台帳」は、自治体が保有するすべての固定資産を網羅的に把握し、公共施設などのマネジメントにも活用されるもので、取得年月日や耐用年数、減価償却累計額、数量(延べ床面積)といった資産価値に関する情報を記録します。

※1 財務書類4表:貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資金収支計算書
※2 発生主義:取り引きが発生した事実を根拠に、費用や収益を認識して計上する会計原則
※3 複式簿記:どのような取り引きによって現金が増減したのかという原因と結果を同時に記録・集計する方式

なお、「新地方公会計制度」に関するこれまでの検討については、下記を参照してください。

Q.統一的な基準に基づき財務書類を作成するには、自治体は具体的にどのようなことをする必要がありますか?

前田
はい。各自治体は、総務省が公開した「統一的な基準による地方公会計マニュアル」をもとに財務書類を作成する必要があります。このマニュアルには、財務書類、「固定資産台帳」の作成手順、資産の評価方法、財務書類の活用方法などが示されており、さらに、財務書類作成にあたっての基礎知識や、Q&A集などの参考情報も記載されています。参考にされると良いでしょう。
また、総務省および地方公共団体情報システム機構は「統一モデル」に準拠した標準ソフトウェアを各自治体に無償提供する予定です。標準ソフトウェアは、新規に公会計システムを整備する負担を軽減するとともに、財務書類の作成作業の効率化を目的としたもので、現在開発が進められており、日立がお手伝いをさせていただいています。

「固定資産台帳」については、これから整備する自治体も少なくないと思います。まずは体制の整備からはじめましょう。全体をとりまとめる財政課や施設を管理する部署などが参画して、委員会やワーキンググループを設置し、各部署間の連携を図ることが必要です。その後、以下の項目を実施する必要があります。

1.計画・準備
資産の管理状況を把握し、方針やスケジュールなどを策定します。

2.様式の作成
固定資産台帳に記載すべき事項を決定し、さらに各部署が調査を行うための調査様式を作成します。その際は既存の公有財産台帳などを基に、新たに必要となるデータを追加・作成する方法が良いでしょう。

3.資産の棚卸し
公有財産台帳と各部署が管理する台帳を照合します。その際、固定資産の実地調査により、現物の棚卸しと台帳の記載内容の整合性を確認することが望まれます。

4.データ作成
各部署は作成した調査様式に基づき資産データを入力します。

5.データ統合
各部署から調査様式を回収し、台帳データを統合します。

6.開始時簿価の算定
統合した台帳データに基づき開始時簿価を算出します。

7.固定資産台帳の作成
固定資産の実地調査を固定資産台帳に反映し、完成。

なお、日立の自治体ソリューションであるADWORLD 財務会計システムは「新地方公会計制度」に対応する自治体を支援するため、標準ソフトウェアとの連携などを予定しています。

よくわかりました。ありがとうございます、前田さん!

(2015年5月27日)

  • * 記事の内容は配信時点での情報をもとに作成しているため、その後の動向により、記載内容に変更が乗じている可能性があります。

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