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2016年6月2日に「日本再興戦略2016(以下、再興戦略)」が、閣議決定されました。
アベノミクス「新・三本の矢」の第一の矢にあたる「希望を生み出す強い経済」を実現するための羅針盤となるこの再興戦略について、ポイントをご紹介します。

GDP600兆円に向けた「官民戦略プロジェクト10」

再興戦略によると、アベノミクス第一ステージで、国内の雇用情勢・企業収益の高水準を実現する一方で、民間企業の動きは本格的なものになっていないということが記載されています。このため、回り始めた経済の好循環を民間企業の本格的な動きにつなげるためには、「有望成長市場」、「生産性革命」、「人材強化」という三つの課題に取り組まねばならないとしています。

国は「有望成長市場」を重点プロジェクトとしてとらえており、アベノミクス第二ステージの具体的な目標であるGDP(国内総生産)600兆円を実現するために、官民で認識と戦略を共有し、新たな有望成長市場を開拓する「官民戦略プロジェクト10」として着手することが示されています。

<GDP600兆円に向けた「官民戦略プロジェクト10」>

  1. 第4次産業革命(IoT・ビッグデータ・人工知能)
  2. 世界最先端の健康立国へ
  3. 環境・エネルギー制約の克服と投資拡大
  4. スポーツの成長産業化
  5. 既存住宅流通・リフォーム市場の活性化
  6. サービス産業の生産性向上
  7. 中堅・中小企業・小規模事業者の革新
  8. 攻めの農林水産業の展開と輸出力の強化
  9. 観光立国
  10. 官民連携による消費マインドの喚起策

また、今回の再興戦略では、KPI(重要業績評価指標)を施策群ごとに組み替えて再設定するほか、新しい分野については新たなKPIを設定し、さらに高みをめざせるものについては上方修正するなどしています。

鍵となるのは第4次産業革命の実現

中でも、鍵となるのが第4次産業革命の実現です。
第4次産業革命とは、IoT・ビッグデータ・人工知能・ロボットなどの技術革新によって産業や社会構造の転換を図ろうとするものです。特に生産性向上が期待される健康・医療・介護分野では、人工知能により認識・制御機能を向上させた医療・介護ロボットの実装が進み、介護現場の作業負担を軽減したり、健診データやセンサーから得られる個人のバイタルデータを活用して、最適な健康管理を行うサービスが生まれたりします。高齢化社会に向け、医療・介護のあり方も変革が求められるため、第4次産業革命は、根本的な効率化や負荷軽減の実現はもとより、消費者のニーズの呼び起こしや新ビジネス創出にもつながる可能性があると期待されています。

国は第4次産業革命による社会の変革に迅速に対応し、世界をリードしたいと考えています。ただし、この流れについていくには、国内の産業・雇用のあり方を見直す「痛みを伴う転換」が必要となってくることから、産業・雇用の縦割りを温存する「現状放置シナリオ」と、第4次産業革命によって産業・雇用の転換・流動化が進む「変革シナリオ」に分けて成長率や労働力の試算しています。

再興戦略では、この「変革シナリオ」による新たな成長をめざすことが基本構想として盛り込まれており、今後構想実現に向けた司令塔として「第4次産業革命官民会議」を設置し、同会議の下に、「人工知能技術戦略会議」、「第4次産業革命人材育成推進会議」、「ロボット革命実現会議」を位置付けて、先行分野の取り組みを進めます。具体的な施策としては、データの収集・分析の円滑化に資するルール整備や、サイバーセキュリティの確保に関連する措置など、基礎的なインフラとなる情報通信環境の整備を速やかに進めていくことが示されています。

新たな規制・制度改革メカニズムの導入

環境整備に加えて、下記二つの新たな規制・制度改革メカニズムが導入されることが示されています。

(1)目標逆算ロードマップ方式
いつまでにどのような技術を社会に実装するのかという将来像を官民で共有し、そこから逆算して、制度改革の工程を設計する方式

(2)事業者目線での規制・行政コスト削減
規制改革、行政手続の簡素化、IT化を一体的に進める

国は「民」による技術開発・ビジネスモデルの作りこみと、「官」による規制・制度改革などを並行して行うことで、第4次産業革命にともなう社会構造の変革にスピーディに対応しようとしています。

国家戦略特区において実証実験がスタート

国は国際的に日本への注目が高まる2020年を大きな契機ととらえており、再興戦略で掲げた施策のうち次世代都市交通・自動走行、分散型エネルギー、先端ロボット、高品質日本式医療、インバウンドや対日投資の拡大などの6分野における改革を加速させるけん引役として、具体的なアクションプランである「改革2020」を活用するとしています。

また、次世代都市交通・自動走行の分野では、国家戦略特区において、自動運転技術を搭載した「ロボットタクシー」や、小型無人飛行機(ドローン)を使った宅配などの実証実験がすでに実施されており、環境整備や事業化に向けた取り組みなどが推進されています。

官民共同で有望成長市場を創出すること、先手で規制・制度を改革していくことなどが示されている再興戦略。自治体のIT化・BPR(※)のさらなる推進や、マイナンバーカード・マイナポータルの利活用拡大なども記載されています。国の投資判断がどこにあるのかを知り、地域の施策と組み合わせて、予算確保につなげるなど、上手に活用できるといいですね。
※業務効率や生産性向上に向け、業務の流れや仕組みを全面的に再構築すること

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(2016年7月26日 公開)

  • * 記事の内容は配信時点での情報をもとに作成しているため、その後の動向により、記載内容に変更が乗じている可能性があります。

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