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[イメージ]観光地での移動にIoTを活用

観光地での移動にIoTを活用

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観光市場が盛り上がっています。政府は当初2020年までに年間2,000万人の訪日外国人観光客を目標としていましたが、3,000万人に上方修正しました。実際、2016年は1月から10月の累計ですでに2,000万人を超えています。

政府が観光立国、そして地方創生を推進する中、各地域においても地域特有の資源を活かした観光事業に取り組んでいます。今回はそうした取り組みと、その中でIoTがどのように活用されているかをご紹介します。

瀬戸内の芸術祭と、安心して利用できるIoTレンタルバイク

香川県では瀬戸内海に浮かぶ島々を舞台に「瀬戸内国際芸術祭」を開催しています。2010年に始まり、3年おきに開催されているこの芸術祭は、春・夏・秋の三つの会期に分かれており、それぞれの季節で変わる海や島の風景とアートのコラボレーションが魅力となっています。結果、多くの旅行者が訪れるようになり、過疎化と高齢化が進む島々が活気を取り戻しています。
この芸術祭は、旅行者を多く呼び込んでいるだけではありません。この芸術祭に向けて、芸術家や「こえび隊」と呼ばれる国内外のボランティアなど数多くの人が島に滞在し、地元住民と交流したり文化に触れ合ったりすることが、地域をより活気付けているようです。芸術祭をきっかけに地元の良さを再確認する住民も多いのでしょう。Uターンした家族などもあり、廃校になった学校が再開するなど、地方創生に繋がっています。

この芸術祭の舞台の一つである豊島では、島内の移動手段としてレンタサイクルなどが用意されています。
「瀬戸内カレン」は、香川県で作った太陽光エネルギーを動力に走る電動スクーターと電動アシスト自転車の貸し出しサービスを提供しています。車両にセンサーと車載機を設置し、位置情報やバッテリー残量、アクセルやブレーキの使用状況などを把握し、利用者の島内での移動を見守ります。例えば、急ブレーキやコースアウトなどの異常があった場合には、必要に応じて利用者のスマートフォンに通知できるようになっています。
また、今後は旅行者がより快適に島での時間が過ごせるように、位置情報をもとに利用者にフェリーの時間が近づいていることを知らせたり、蓄積した移動情報を分析して今後の観光サービスに役立てたりなども検討されているようです。

ジオパーク観光客の活用が期待されるIoT配車サービス

既存のIoT配車サービスを活用して地域の交通手段を確保している例もあります。
京丹後市は、ユネスコ世界ジオパーク(※1)に認定された「山陰海岸ジオパーク」の一角を有し、日本海の海面変動や地殻変動によって形成された珍しい海岸地形などが見られます。美しく貴重な自然風景を資源とし、国内外からの旅行者を誘致している京丹後市ですが、過疎化と高齢化が進み数年前にはタクシー事業者も撤退するなど、公共交通に課題がありました。
対策として、市が委託したNPO法人によってデマンドバス(※2)が運行されていますが、事前に予約が必要であったり、乗車できる曜日や地域が限定されていたりと制約があります。

※1 火山、地層、岩盤、断層などの地質学的な遺産を保護し、新たな観光資源として地域振興に生かすことをめざした事業のこと
※2 バス利用者の行き先や乗り場などの要望に応じて、バスがタクシーのように路線外を走行する運行形態

そこで、同NPO法人が導入したのがUberを活用した「ささえ合い交通」です。Uberはいわゆるシェアリングエコノミーで、自動車のドライバーと利用者のマッチングを行うサービスです。「ささえ合い交通」には国土交通省が定めた要件を満たす地元ドライバーと自家用車が登録されており、Uberのアプリで乗車場所を設定すると、登録されている近くのドライバーに通知される仕組みになっています。Uberを活用する利点は地元住民の交通手段確保だけに留まりません。Uberのアプリは45の言語に対応しているため、ジオパークに訪れる外国人旅行者の移動手段としても大いに期待されています。

IoTは観光事業を手助けする

今回はどちらも移動手段でIoTが活用されている例をご紹介しましたが、移動手段以外にも観光事業のさまざまなシーンでIoTは使われています。観光事業を成功させ地方創生に繋げていくためには、地域特有の資源を磨きあげ、それを地域の人たちが一体となって盛り上げていくことが大切だと言われています。IoTはそれらの取り組みの手助けをするものです。今回の例でも「芸術を通じた交流」や「珍しい海岸地形」という地域特有の観光資源があり、そのアクセスを快適にしたり、その資源以外も楽しめたりするように、IoTを上手に使っています。そして、地域の観光資源と地域の人々とIoTの相互作用により、その地域をより魅力あるものにしてくれるのだと思います。

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(2016年12月13日 公開)

  • * 記事の内容は配信時点での情報をもとに作成しているため、その後の動向により、記載内容に変更が乗じている可能性があります。

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