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[イメージ]自治体が保有するデータの利活用に向けて

自治体が保有するデータの利活用に向けて

読んでナットク!自治体ICT

情報通信技術が進展し、膨大なデータの収集・分析ができるようになりました。ビッグデータをAIなどで解析することで、課題解決や業務改善、新たなサービス創出などに繋がっており、データそのものの価値が高まっています。その中でも特に利用価値が高いとされているパーソナルデータ(*1)については、個人情報に該当するかどうかが明確に定義されていないグレーゾーンが増えたことや、国民の不安や不信感など、さまざまな課題があり利活用が進みづらい状況にあります。

*1
個人情報保護法で規定された個人情報に限らず、位置情報や購買履歴などの個人識別性のない情報を含む個人に関する情報。

このような状況を打破するべく、保護すべきものと利活用できるものを明確にし、グレーゾーンをなくすことで、データ利活用を促そうと以下の法改正が実施されます。

  • 個人情報保護法等の改正(2015年9月9日公布、2017年5月30日全面施行)
  • 行政機関個人情報保護法等の改正(2016年5月30日公布、施行日は上記と同時期を想定)

今回は、上記法改正を受け、今後自治体にてどのような検討が必要になってくるかご紹介します。

自治体では個人情報保護条例の改正検討準備を

自治体では、上記の法改正を踏まえ、個人情報保護条例の改正を検討することとなります。
特に行政機関個人情報保護法を参考として、以下3点について留意することとなっています。

  1. 個人情報の定義の明確化
    これまでグレーゾーンであった個人識別符号(DNA、顔、静脈、指紋などの身体的特徴をデータ化したものや、対象者ごとに異なる番号がつけられている、マイナンバー、旅券番号、運転免許証番号などのデータ)が個人情報であることを明確化。
  2. 要配慮個人情報の取扱い
    要配慮個人情報(人種、信条、病歴、前科など本人に対する不当な差別または偏見が生じる可能性のある個人情報)の取得および第三者提供については、原則として本人の同意を得ることを義務化。
  3. 非識別加工情報(*2)を提供するための仕組みの整備
    • 非識別加工情報(特定の個人を識別することができないように個人情報を加工し、その個人情報を復元できないようにしたもの)の定義を規定。
    • 非識別加工情報の適正な取扱いを確保するための規律(情報項目の公表等)を整備。
*2
特定の個人を識別することができないように個人情報を加工し、その個人情報を復元できないようにしたもの

1、2については、現在の条例で規定されていないものを新たに追加検討するという対応になります。また、改正後に保護すべき情報が増えるか否か、またそれはどの事務で使用しているのかなどを確認する必要があるでしょう。
3は、グレーゾーンだった個人識別符号を個人情報と定義した上で匿名加工して利活用できるようにするための新しい制度となります。例えば、福祉保健課などで保有する健診データなどは、新たな健康サービス立案のヒントとして利用できそうですが、そのままでは個人情報のため使用できません。こうした個人情報を含むデータをどのようなルールで加工するか、誰が加工後のデータの適正を審査するのかなど、検討・調整すべきことが多くあります。

総務省では、「地方公共団体が保有するパーソナルデータに関する検討会(以下、検討会)」において、自治体からの意見をヒアリングしながら課題を整理しています。検討会では、東京都の検討状況についても公開しており、個人情報保護条例の改定に向けての問題・課題などが整理されています。
検討会のスケジュールとしては、2月に非識別加工情報の仕組み導入、報告書骨子、3月に報告書をまとめる予定となっています。

行政機関個人情報保護法等における非識別加工情報の考え方

では、すでに設置することが定められている国の行政機関等における非識別加工情報制度はどのようになっているのでしょうか。非識別加工情報の作成・提供の仕組みは以下のように考えられています。

[イメージ]国の行政機関における非識別加工情報の作成・提供の仕組み
出典:「(参考)国の行政機関における非識別加工情報の作成・提供の仕組み」(総務省)

民間事業者の提案を受けたら、行政機関等で審査し提案者との間で利用契約を締結し、非識別加工情報を作成・提供するという流れになります。
また、非識別加工情報の取扱いについては、個人情報保護委員会が関与します。ガイドラインや規則の整備なども予定されています。
また、非識別加工情報の適正な取扱いを確保するための規律を整備し、利活用の促進と個人の権利・利益の保護の調和のとれた制度を構築するとしています。

スケジュール

改正法の施行は以下のスケジュールとなっています。

[イメージ]改正個人情報保護法の施行スケジュール
出典:「改正個人情報保護法の施行スケジュール」(総務省)

前述のとおり、改正個人情報保護法は2017年5月30日に全面施行されます。改正行政機関個人情報保護法についても、同時期の施行が想定されます。各自治体の条例に関しては、今後検討会から出される報告書の内容も鑑みて、改正内容の検討を進めていく必要があります。

官民データ活用推進基本法も成立

2016年12月には「官民データ活用推進基本法」も成立、施行されました。これは自治体も含めたデータの利活用を推進するための法律で、基本計画として以下が挙げられています。

  • 政府による官民データ活用推進基本計画の策定
  • 都道府県による都道府県官民データ活用推進基本計画の策定
  • 市町村による市町村官民データ活用推進基本計画の策定(努力義務)

これにより、データ利活用が活発化する環境づくりが加速していくでしょう。
マイナンバー制度も導入され、自治体が保有するデータが注目されることも増えてきました。また、自治体は今、内部統制制度導入が検討されるなど、業務の適正化や信頼できる組織であることが求められる社会状況となっています。そのため、データの利活用においても、情報を適切に取り扱い、守り、活用する環境・体制を整えていくことが求められています。

参考

(2017年2月7日 公開)

  • * 記事の内容は配信時点での情報をもとに作成しているため、その後の動向により、記載内容に変更が乗じている可能性があります。

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