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Q.情報が届きにくいとされる外国人や高齢者に対して、どのような施策が検討されていますか?

前田
はい。政府や自治体では、東日本大震災や大型台風など度重なる自然災害の教訓を踏まえ、災害情報などの情報伝達手段の改善や拡充を行ってきました。しかしその一方で、情報が届きにくいとされている外国人や高齢者への情報伝達は、まだ十分に整備されているとは言えず、さらなる対策が必要とされています。
例えば、外国人の場合、災害時に事態を的確に把握できない場合や、地震を経験したことがない場合もあると指摘されています。
国内ではすでに、217万人を超える在住外国人(2016年1月時点)がいることに加え、2020年には訪日外国人旅行者を4000万人にするという目標を政府が掲げており、より一層の外国人に向けた情報伝達手段の改善や拡充が求められています。
一方、日本の総人口27.3%に達した65歳以上の高齢者(2016年9月時点)に対しても、携帯電話の所持率や情報リテラシーの課題、聴覚視覚などの認知機能の衰えに配慮した対策が必要とされています。

そこで政府は、災害時における外国人や高齢者への情報伝達を確実に行うため、「情報難民ゼロプロジェクト」を推進しています。

  1. 2020年にめざす姿(外国人の場合)
    外国人が理解しやすいよう情報を視覚化・多言語化し、空港や駅、ターミナル施設、観光商業スポーツ施設などで、デジタルサイネージやスマートフォンアプリなどから情報を得られるようにします。また119番通報や緊急搬送時に、電話通訳センターを介した3者間通話や、災害発生時に情報コーディネーター(仮称)による情報伝達の支援が検討されています。
  2. 2020年にめざす姿(高齢者の場合)
    高齢者が比較的利用しやすいラジオや防災無線、テレビといった媒体を情報伝達インフラとして整備します。また、地域の自主防災組織が高齢者へ情報伝達を行う取り組みの支援や、すでに一部自治体で実施されている高齢者が電話で自治体に情報確認できる仕組み(自治体テレフォンガイド)の拡充をめざします。

Q.自治体での取り組みを教えてください

前田
はい。東京都千代田区では首都直下地震により外国人も含め、多数の帰宅困難者が発生したと想定し、2016年2月に複数の駅や商業施設、公共施設の管理者などが連携した合同帰宅困難者対策訓練を行いました。外国人への情報伝達として語学ボランティアをはじめ、多言語音声翻訳アプリ「VoiceTra」や、メガホン型翻訳端末といった最新技術も活用されました。

また、徳島県では高齢者への情報伝達として「テレビ・ICカードを活用した防災対策システム」を活用し、2013年度から2014年度まで県内で実証実験を行いました。各家庭のテレビと高齢者に配布したICカードを紐付け、テレビ画面に高齢者本人の名前とともに避難指示を表示させたり、視聴履歴(テレビ電源のON/OFF)から在宅の有無を推定し救助活動に役立てたりします。また避難完了後には、避難所でICカードを読み取ることで、いつ、誰が、どこに避難してきたか、といった情報を一元的に把握できます。

大規模な災害発生時には自治体も被災していることが想定され、政府との連携や、住民の避難誘導・避難所などを並行してケアすることは大変困難です。そのため、有事の際はITを最大限活用して、的確かつ効率的に情報発信することが求められます。
また、普段から外国人住民や高齢者といった層とも積極的にネットワークを形成しておくことは、防災対策のみならず、地域を活性化するためにも大変有効です。防災対策を一つのきっかけに、より良い地域へと進化していきたいですね。

よくわかりました。ありがとうございます、前田さん!

参考

(2017年3月21日 公開)

  • * 記事の内容は配信時点での情報をもとに作成しているため、その後の動向により、記載内容に変更が乗じている可能性があります。

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