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Q.「情報銀行」という言葉を聞きました。実現に向けた政府の動きを教えてください

前田
はい。政府が推進する超スマート社会(Society5.0)を実現するためにも、多種多様かつ大量のデータを活用していく必要があります。しかし、個人情報をどのように扱えばよいのかという懸念や不安があり、その点を解消できる仕組みづくりが求められています。データを安全・安心に流通・利活用できる環境の整備に向けて、内閣官房IT総合戦略本部は、データ流通環境整備検討会内で「AI、IoT時代におけるデータ活用ワーキンググループ(以下、WG)」を開催しています。本WGにおいて「情報銀行」について議論されており、2017年3月に「中間とりまとめ」が公表されました。

Q.「情報銀行」の概要を教えてください

前田
はい。情報銀行(情報利用信用銀行)とは、移動・行動・購買履歴といった個人のデータを管理し、個人に代わり妥当性を判断し、第三者に提供する事業のことです。個人とのデータ活用に関する契約などに基づいて運用されます。個人のデータを情報銀行に預託することで、個人が示した範囲内で、情報銀行が妥当性を判断し事業者へ提供します。
データ活用の見返りは、提供先の事業者から、個人に対する便益や社会全体への貢献という形で還元されます。個人に対する便益として、例えば金融機関からニーズにあった資産運用の提案を受けたり、観光事業者から趣味嗜好に合ったサービスの提案を受けられるようになります。また、個人の健康状態や生活環境に適した診療や健康増進サービスを受けられるようになり、重複検査や重複投薬の抑制も期待されます。このことは、社会全体に対しても「医療費の適正化」や「社会全体の健康寿命の延伸」として還元されます。

[イメージ]情報銀行のイメージ
出典:AI、IoT時代におけるデータ活用ワーキンググループ 中間とりまとめの概要(IT総合戦略本部 データ流通環境整備検討会)

情報銀行は、PDS(Personal Data Store)と呼ばれる仕組みを用いて実装されます。PDSは、個人が自らの意思で自らのデータを蓄積・管理するための仕組みです。他者が管理しているデータも含めて、本人に由来するデータを自らの意思で集約、把握することができ、第三者へのデータの提供についても自らコントロールできるというメリットがあります。

このコントロールを本人の同意を得たうえで代わりに行うのが情報銀行ですので、それ自体が信用される者であるかどうかが重要です。情報銀行が関与することで、第三者への個人データの提供についての不安が軽減され、より多くのデータの流通・活用が進むよう期待されています。

なお、2017年3月にWGが公表した中間とりまとめに、情報銀行の実装に向けて政府が取り組むべき事項が挙げられています。主な内容は、次のとおりです。

  • 官民の関係者によるデータの標準化、互換性確保を支援する
  • トレーサビリティ、データポータビリティ、データ削除のあり方について検討する
  • 苦情・紛争処理といった事後対応の仕組みを検討する
  • マイナポータルとの連携を検討する
  • オープンデータに率先して取り組む
  • 情報銀行の普及・啓発・教育を推進する

情報銀行は、2016年12月に施行された「官民データ活用推進基本法」に基づいて構想されています。国民・消費者の信頼を得ながら、データを活用したビジネスを発展させるためにも、データの取り扱いに係るルールの整備、そして、情報銀行の早期実現が期待されますね。

よくわかりました。ありがとうございます、前田さん!

参考

(2017年5月22日 公開)

  • * 記事の内容は配信時点での情報をもとに作成しているため、その後の動向により、記載内容に変更が乗じている可能性があります。

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