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近年、人の行動や事象を観察して「サービス」を考えるサービスデザインへの関心が高まっています。
海外では、公共サービスにおいてサービスデザインを応用し、政策プロセスやサービスの改革に取り組む動きがみられ、日本でも、新たな電子政府の方針で「サービスデザインの実践」が取り入れられています。
なぜ行政においてサービスデザインが求められるのか、サービスデザインによる行政サービス改革とはどのようなものかをご紹介します。

サービスデザインとは

デザインと言うと、製品の形状や色彩など見た目の表現のことと考えてしまいますが、この場合のデザインは、サービスの利用者や提供者という「人」に着目しながら、サービスが抱える課題を見つけ出したり、サービスのあるべき姿を検討、検証(評価)したりするアプローチ全体のことを指します。

なぜ行政においてサービスデザインが求められるのか

利用者視点を入れつつ実務プロセスを抜本的に組み直すサービスデザインのアプローチは事業開発や新規ビジネス創出などで重要性を増してきています。この考え方は、公共課題の解決や行政サービスの見直しにも役立つものとして近年注目されています。

少子高齢化などの課題を抱えながら持続的な経済成長を実現するためには、行政サービスの変化も必要です。利用者視点でサービスの価値を最大化させるためには、官民協働を軸に行政機関の縦割りや、国と地方、官と民という枠を越えた行政サービス改革が求められます。

また、自治体が行政サービス改革に取り組む際には、単なるコスト削減だけでなく、サービスの質的向上の実現も同時にめざすことが、住民をはじめとするさまざまな関係者の理解を得るためにも重要となります。
そのため、改革プロセスでさまざまな関係者との共創により全体的な視点でサービスの再設計をするこの手法が求められているというわけです。

政府のサービスデザインに向けた動き

政府もこれまでに、電子行政の分野において、行政サービスの再設計に取り組んできました。
先日公表された「新たな電子政府の方針についての考え方」では、デジタル技術を徹底活用した利用者中心の行政サービス改革を推進する考え方として、サービスデザインを取り入れることが明示されています。

また、「IT総合戦略本部 電子行政分科会」では、行政サービス改革におけるサービスデザインを、「サービスの開始から終了までに利用者が感じる体験に着目し、すべての関係者を考慮しつつ、サービス全体で『使いやすく』、『連続性を持ち』、『全体を俯瞰した』サービスを創り、持続していくという考え方」と定義し、重要な役割を果たすものとして期待しています。

サービスデザインを行政サービスに取り入れるには

では、具体的にサービスデザインを行政サービスに取り入れるにはどのようにすれば良いのでしょうか?
製品やシステムの開発にあたり、人間中心設計推進機構(*)が公表している資料「行政・公共サービスに携わる皆さんへ」の中に、そのヒントが紹介されています。

サービスデザインを取り入れる場合、まずは住民の真の課題や状況を把握するためのユーザー調査からスタートします。ここで大切なのは、従来の住民アンケートに象徴されるような人数、割合、傾向値などの定量的な調査だけでなく、対象者を絞り、その回答に至った経緯や理由など、数値化できない価値観や住民の体験を定性的な調査で捉えていくことだとしています。これにより、サービスを利用するターゲットユーザー像を明らかにしたうえで実態を把握し、潜在的なニーズや課題を引き出すことができるのです。

また、小さな活動から実践をはじめてみて、住民と行政の「共創」が、問題解決や新しいサービスの創出につながるということを双方が実感したうえで、サービスデザインを実践することが良いとされています。

先述したように、政府もサービスデザインを取り入れることを推進しているので、ノウハウの共有や支援体制の整備のほか、サービスデザイン思考による行政サービスの実施に当たり、検討が必要な内容・留意点などをまとめたガイドラインや事例集やツールの作成も検討されています。これらを参考にするのも良いでしょう。

今後ますますIoTが発展するのにともない、私たちの生活を便利にするサービスの開発が進み、これらをうまく活用した行政サービスも増えていくでしょう。一方で、サイバーセキュリティ対策や個人情報の保護など、安全・安心といった要素も重要になると思われます。

*
ユーザーの立場や視点に立ってデザイン・設計を行う「人間中心設計」という考え方を啓発・普及させることを目的とした団体、特定非営利活動法人

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