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Q.総務省から「AI開発ガイドライン」が公表されました。その背景を教えてください

前田
はい。AIは飛躍的に技術革新が進んでおり、今後もさまざまな社会課題の解決と、我々の生活を豊かにすることが期待されています。
その一方で、AIの技術革新には大きなリスクもともないます。例えば、AI自体が制御不能になったり、AI同士が相互連携したりした結果、予期しない問題を引き起こす恐れもあります。
また、AIシステムは国境を越えて利用されますので、その影響範囲は国内に留まりません。
AI開発には倫理規定が必要との声も、世界中で高まっています。

そこで、2016年4月に日本で開催されたG7(*)情報通信大臣会合において、ホスト国である日本は「AI開発原則」のたたき台を紹介し、そのたたき台を基にAI開発について各国関係閣僚による議論が行われました。
そして、「AI開発原則」だけでなく、その解説書である「AI開発ガイドライン」の策定に向け、G7各国が中心となり、国際機関の協力も得て議論していくことで合意しました。

*
Group of Sevenの略。フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダの先進7ヵ国のこと。

総務省では2016年10月から「AIネットワーク社会推進会議」を開催し、2017年7月に「AI開発ガイドライン案」を公表しました。これは、世界に先駆けた政府発のガイドラインです。
AI開発について留意が期待される事項などを世界に発信することで、国際社会に大きく貢献することが期待されます。

具体的な内容としては、AIネットワーク化の進展とAIシステムのインパクト(便益)の増進とリスク抑制のために、開発者が留意すべき原則とその解説をまとめたものとなります。
「連携の原則」「セキュリティの原則」「プライバシーの原則」など、9個の開発原則で構成されています。
例えば「連携の原則」では、国際的な標準・規格がある場合は準拠することや、利用技術の標準化やオープン化に努めることなど、AIネットワーク化に向けて、開発者同士の情報共有やリスク抑制を促す内容が示されています。

AI開発原則
1 連携の原則 開発者はAIシステムの相互接続性と相互運用性に留意する
2 透明性の原則 開発者はAIシステムの入出力の検証可能性及び判断結果の説明可能性に留意する
3 制御可能性の原則 開発者はAIシステムの制御可能性に留意する
4 安全の原則 開発者はAIシステムがアクチュエータ等を通じて利用者及び第三者の生命・身体・財産に危害を及ぼすことがないよう配慮する
5 セキュリティの原則 開発者はAIシステムのセキュリティに留意する
6 プライバシーの原則 開発者はAIシステムにより利用者及び第三者のプライバシーが侵害されないよう配慮する
7 倫理の原則 開発者はAIシステムの開発において、人間の尊厳と個人の自律を尊重する
8 利用者支援の原則 開発者はAIシステムが利用者を支援し、利用者に選択の機会を適切に提供することが可能となるよう配慮する
9 アカウンタビリティの原則 開発者は、利用者を含むステークホルダに対しアカウンタビリティを果たすよう努める

また、AIネットワーク社会推進会議では、開発だけでなく、各分野での利活用のインパクトやリスクの評価も行っています。

Q.公共分野におけるAI活用のインパクトとそのリスクを教えてください

前田
はい。AIネットワーク社会推進会議では、「AI開発ガイドライン」の策定に先駆けて、各分野での利活用のインパクトやリスクの評価を行っています。公共分野では、まちづくり、パブリックガバナンス、危機管理の区分で評価が行われています。

例えばまちづくりでは、次の表に示すような評価が行われています。

[イメージ]まちづくりにおける評価

利活用のシーンとしては、「公共インフラ」「行政」「スマートシティ」に導入されたAIシステムが相互に連携し、都市計画の策定や自動パトロール、見守りサービスを実現することが想定されます。
このことは我々に、地域の特性に応じたまちづくりや、安心安全な生活の実現といったインパクトを与えます。
一方で、AIが学習不足による誤判断をしたり、ハッキングによる情報流出が生じたりするリスクも考えられます。そこで、AI開発とあわせて、あらかじめリスク評価も行っておく必要があるのです。

AI開発ガイドライン案に基づき、日本のAI技術革新の加速が予想されます。
公共分野においても、これらの動向を意識しながらAIの活用を進めていくことが重要と考えられます。

よくわかりました。ありがとうございます、前田さん!

参考

(2017年11月20日 公開)

  • * 記事の内容は配信時点での情報をもとに作成しているため、その後の動向により、記載内容に変更が乗じている可能性があります。

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