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[イメージ]デジタル・ガバメント実行計画

デジタル・ガバメント実行計画

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政府はこれまで以上に国民・事業者の利便性向上に重点を置き、行政のあり方そのものをデジタル前提で見直すデジタル・ガバメントの実現をめざしています。2017年5月に「デジタル・ガバメント推進方針」が策定され、2018年1月に、それに基づいた「デジタル・ガバメント実行計画」が公表されました。今回は、この実行計画についてご紹介します。

政府・地方・民間すべてを通じたデータの連携、サービスの融合をめざして

電子行政の取り組みは、行政内部事務の効率化や、各手続のインターフェースのオンライン化といったものから、府省庁の壁を越えた取り組みへと変化しています。自治体クラウドやオープンデータの推進など、自治体を含めた取り組みも進んできており、今後はこれをさらに拡大し、政府・地方・民間すべてを通じたデータの連携、サービスの融合を実現しようとしています。

[イメージ]「電子政府」から「デジタル・ガバメント」へ

デジタル・ガバメント実現に向けた各種施策

実行計画では、めざす社会像やそのために必要な電子行政の要素が定義されており、これを前提に、行政サービスのデジタル化に関する各種施策が取りまとめられています。

計画がめざすもの(To Be)
めざす社会像 めざす社会像の実現に必要な電子行政の要素
必要なサービスが、時間と場所を問わず、最適な形で受けられる社会 利用者中心の行政サービス
  • 利用者にとって、行政のあらゆるサービスが、「すぐ使えて」、「簡単で」、「便利」である
  • 利用者にとって、行政のあらゆるサービスが、最初から最後までデジタルで完結される
官民を問わず、データやサービスが有機的に連携し、新たなイノベーションを創発する社会 行政サービス、行政データ連携の推進
  • 行政サービスや行政データの連係に関する各種標準やシステム基盤が整備されており、民間サービスなどと行政サービスおよび行政データの連携が行われている
  • 行政サービスおよび行政データが、設計段階から、他機関・他サービスとの連携を意識して設計されている
  • 「デジタル・ガバメント実行計画」(首相官邸)をもとに作成

各種施策は、推進方針で明示された3本柱である「利用者中心のサービス改革」「プラットフォーム改革」「価値を生み出すITガバナンス」の分野ごとに取りまとめられています。それぞれの具体的施策が明示されているわけですが、単に情報システムを作るということではなく、業務改革(BPR)や制度そのものの見直しなどが含まれています。
「利用者中心のサービス改革」を考えるうえで重要なのが、サービスデザイン思考です。実行計画では、必要なノウハウとして「サービス設計12箇条」を取りまとめ、このルールに沿ってサービスの分析や設計を行うことが盛り込まれています。

<サービス設計12箇条>
第1条 利用者のニーズから出発する
第2条 事実を詳細に把握する
第3条 エンドツーエンドで考える
第4条 全ての関係者に気を配る
第5条 サービスはシンプルにする
第6条 デジタル技術を活用し、サービスの価値を高める
第7条 利用者の日常体験に溶け込む
第8条 自分で作りすぎない
第9条 オープンにサービスを作る
第10条 何度も繰り返す
第11条 一遍にやらず、一貫してやる
第12条 システムではなくサービスを作る

ほかにも、「行政サービスの100%デジタル化」、「行政情報システムのクラウド化」、「政府CIOレビュー制度の確立」などITを活用し、簡素で効率的な社会システムをめざすための施策が盛り込まれています。主な施策の一覧は下記の通りです。

利用者中心の行政サービス改革
  1. 「サービス設計12箇条」に基づくサービスデザイン思考の導入・展開
  2. 横断的サービス改革(行政サービスの100%デジタル化)
    • デジタルファースト(各種手続のオンライン原則の徹底)
    • ワンスオンリー(行政手続における添付書類の撤廃)
    • コネクテッド・ワンストップ(民間サービスとの連携も含めたワンストップ化を推進)
  3. 個別サービス改革
    手続きの棚卸などをふまえ、特にニーズが高いと思われる施策の改革を先行的に実施。別紙にて、15の個別サービス改革事項の詳細も提示。
    • 住民税の特別徴収税額通知の電子化等
    • 電子調達サービスの利便性向上
    • 法人設立手続のオンライン・ワンストップ化、法人登記情報連携の推進
    • 自動車保有関係手続のワンストップサービスの充実 など
プラットフォーム改革
  1. 行政サービス、行政データ連携の推進
    • 行政データ標準の確立
    • 行政保有データの100%オープン化(オープンデータ)
    • API整備の推進
    • Webデザイン指針などの整理統合・拡充
  2. システム基盤の整備
    • 行政情報システムのクラウド化(クラウド・バイ・デフォルト)、政府情報システムの将来像の検討
    • 本人確認などの手法の見直し
    • 情報システムに関する技術トレンドへの対応
    • サービスデザイン思考の導入によるe-Govの刷新
    • マイナポータルのAPI提供によるサービス連携の拡大
    • 法人デジタルプラットフォームの構築
    • 制度情報基盤の整備
    • 府省共通システムの推進
価値を生み出すITガバナンス
  1. サービス改革に対応した推進体制の整備
    • 政府 CIO レビュー制度の確立
    • サービス改革支援チームによる支援
    • 各府省ガバナンスの強化
    • 各府省中長期計画
    • 人材確保・育成
  2. マネジメントおよびプロセスの強化
    • 政府情報システム改革の着実な推進
    • 情報システム調達に係る諸課題の検討
    • 情報利活用と情報セキュリティの一体的推進
    • 標準ガイドライン群の充実・拡充・定着
  3. デジタル・ガバメントの推進に係るその他の取り組み
    • デジタル・ワークスタイルの実現
    • 広報・普及と国際展開
  • 「デジタル・ガバメント実行計画」(首相官邸)をもとに作成

自治体におけるデジタル・ガバメントの推進

自治体におけるデジタル・ガバメントの推進も実行計画の中に盛り込まれています。現在、自治体には、官民データ活用の推進に関する施策の基本的な計画の策定が求められており(都道府県:義務、市町村:努力義務)、政府はこの官民データ活用推進計画の策定を自治体におけるデジタル・ガバメントの重要な契機としています。政府一体となって推進していくために、自治体の壁を越えたサービスやプラットフォームの標準化、共通化も含め、IT化・業務改革(BPR)など、自治体を支援する取り組みが多く盛り込まれています。

具体的には、「官民データ活用推進計画の策定」のほか、「行政手続のオンライン利用促進」、「クラウド利用の推進」、「オープンデータの推進」、「適正な情報セキュリティの確保」における各取り組みについて、詳細やKPIが設定されています。

  取り組み KPI
官民データ活用推進計画の策定
  • 計画に盛り込むべき施策を記載した手引を提供(「官民データ活用推進計画策定の手引」が2017年10月に公表済み)
  • 全国での説明会の開催
2020年度末までに全都道府県について、官民データ活用推進計画の策定を達成
行政手続のオンライン利用促進 行政手続などの棚卸の結果を踏まえ、自治体が行う手続のうち重要と考えられる手続を特定 2018年3月までにオンライン利用促進に向けた方策を取りまとめる
クラウド利用の推進
  • 総務省が内閣官房と連携し、自治体の長を直接訪問して導入の検討を働きかける
  • パッケージソフトのカスタマイズ抑制、データセンターの効率的な活用などを検討
  • 2017年度末までにクラウド導入市区町村数を約1000団体とする
  • 情報システムの運用コストを圧縮する(3割減)
オープンデータの推進
  • 各種ツールの提供(ガイドライン・手引書、推奨データセットなど)
  • 人材の派遣
  • 民間ニーズとの調整・仲介や人材育成を行うための環境整備
2020年度までに自治体のオープンデータ取組率100%をめざす
適正な情報セキュリティの確保 情報セキュリティ対策の状況やマイナンバーの情報連携開始などを踏まえた内容となるようガイドラインを改定する
  • 2017年度内に改定
  • 情報セキュリティポリシー見直しの際の支援
  • 「デジタル・ガバメント実行計画」(首相官邸)をもとに作成

今後のスケジュールとフォローアップ

実行計画は、2018年1月16日から2023年3月31日までを対象期間としており、随時改訂を行いながら、PDCAサイクルを回します。
各府省は、2018年の上半期を目処に、中長期計画を策定します。行政手続きなどの棚卸を継続的に実施しながら、実行計画と各府省中長期計画を一体で進めていきます。
フォローアップについては、政府CIOによる進捗状況の把握を実施し、少なくとも年1回は(重要な施策はさらに高頻度で)評価を行い、内容の見直しと段階的な拡充や詳細化を行います。
内閣官房と総務省は毎年度各府省中長期計画の取り組み状況を取りまとめ、CIO連絡会議に報告します。

2018年1月の、eガバメント閣僚会議にて、「電子申請にかかる添付書類の撤廃を推進するため、年内に法案を提出できるよう、法案の作成にただちに着手する」という官房長官の発言がなされたように、行政手続きのデジタル化に向けての動きは加速していくと思われます。

参考

(2018年2月13日 公開)

  • * 記事の内容は配信時点での情報をもとに作成しているため、その後の動向により、記載内容に変更が乗じている可能性があります。

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