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政府は、「『日本再興戦略』改訂 2014」において、「キャッシュレス決済の普及による決済の利便性・効率性の向上」を掲げたのを皮切りに、さらなるキャッシュレス化を推進しようとしています。

2017年11月から国内外のキャッシュレス動向をふまえた議論が行われ、2018年4月に報告書「キャッシュレス・ビジョン」がまとめられました。
報告書の中で示されている方向性と、地域におけるキャッシュレス化についてご紹介します。

キャッシュレス・ビジョンがめざす方向性

これまで推進してきたキャッシュレス化を振り返り、国内外の現状や課題をふまえた対応の方向性を示したのが、「キャッシュレス・ビジョン」です。

「キャッシュレス・ビジョン」によると、キャッシュレス決済比率を中国や欧米などの各国と比べた場合、日本はまだまだ遅れをとっており(世界各国40~60%、日本は約20%)、2025年の大阪・関西万博までに「キャッシュレス決済比率40%」を実現するとしています。

キャッシュレス決済比率40%は「未来投資戦略2018」で設定されている目標ですが、これを2年前倒しし、将来的には世界最高水準である80%をめざします。
つまり、これまで以上のスピードでキャッシュレス化を推進していくことが明示されています。

キャッシュレス化推進にあたり、実店舗等、消費者、支払サービス事業者、政府それぞれの視点からの対応の方向性を整理しています。

  1. 実店舗等におけるキャッシュレス支払導入にかかるボトルネック解消
  2. 消費者に対する利便性向上と試す機会の拡大
  3. 支払サービス事業者のビジネスモデル変革を後押しする環境整備
  4. 産官学によるキャッシュレス推進の強化
  5. 新産業の創造

これらをふまえたオールジャパンの取り組みとして経済産業省は、「キャッシュレス推進協議会(仮)」を設立し、産官学で連携して実行に向けた具体的な活動を行います。具体的には、キャッシュレス化に向けた周知活動の検討、標準化に関する検討(直近ではQRコード決済)、地方実証、消費者・事業者調査、キャッシュレス統計調査などを行います。

行政機関におけるキャッシュレス化の推進

「キャッシュレス・ビジョン」の具体的な方策案の一つに、「行政機関におけるキャッシュレスの促進」があります。政府や自治体自らが積極的にキャッシュレスを利用していくことで、推進を加速させようというわけです。 たとえば、下記のような意見が出ました。

  • 行政職員自らが、歳入面のみならず、職員の支払も含めた歳出面においても積極的にキャッシュレスを促進する
  • 行政機関は、納税等にかかる支払の受入の領域でキャッシュレスの余地があるため、関係機関と連携しつつ、「行政機関に対する支払におけるキャッシュレス必須化」や、「キャッシュレス支払利用時の手数料のあり方の検討」も重要(2017年6 月以降、税・公金収納・支払の効率化について、金融機関、関係省庁、自治体、FinTech企業が連携して取組みを進めている)
  • 特に、観光客が訪れる自治体関連の観光関連施設(博物館、公園等)や住民が身近に利用する公共サービス(住民票交付手数料、公民館・体育館利用料等)については、地方創生や住民の利便性向上の観点から、積極的にキャッシュレスに取組むことが望ましい
  • キャッシュレス・ビジョン(経済産業省)69ページを編集

さらに、これらの取り組みは電子申告や行政機関におけるペーパーレス化などの公共サービス分野の電子化といった各種既存施策とも足並みを揃える形が望ましいともしています。
自治体におけるバックオフィス改革や財政面での生産性革命を支えるイノベーションとして、高齢化・人口減少が進む地方において、人手不足や、必要となる技能を持った人を確保できないといった問題を助けるであろうとされるからです。

地域におけるキャッシュレス化とマイキープラットフォーム構想

地域におけるキャッシュレス化では、とりわけ外国人観光客の消費拡大が期待されています。実際に、福井県大野市のように、海外からの観光客の増加にそなえて、キャッシュレス決済端末機を整備する実店舗などへ補助金を交付したり、石川県のように、北陸新幹線の金沢延伸を契機に、兼六園を始め20数個所の県営施設などでキャッシュレス支払の受入を一斉に実施したりする自治体の事例が出てきています。こうした事例が他の自治体にも広がることが期待されています。

また、単純にキャッシュレス決済に慣れている外国人観光客の利便性を高めるというだけでなく、決済データや購買情報を今後の観光施策に活用することで新たなサービス創出や、地域経済の活性化につなげたいというねらいもあります。福岡市では、民間企業と連携して、商業施設・商店街、飲食店・屋台、タクシー、美術館・動物園など、さまざまな場所でのキャッシュレスの実証実験を進めています。実証実験などを通じて、市内の99%を占める中小企業の生産性向上や、商業都市・観光都市としての魅力向上につなげようとしています。

このような動きの中、地域におけるキャッシュレス決済インフラとして期待される取り組みに、総務省の「マイキープラットフォーム構想」があります。これは、マイナンバーカードを活用し、公共施設などのさまざまな利用者カードを一枚にするとともに、各自治体のボランティアポイントや健康ポイントなどをクラウドで管理して、クレジットカードなどのポイントやマイレージを「自治体ポイント」として全国各地に導入・合算し、さまざまな住民の公益的活動の支援と地域の消費拡大につなげることを目的としたものです。

2017年9月25日からシステムを稼働し、実証事業として先行自治体による住民向けのサービス提供がスタートしています。2018年度の概算要求では、全国展開のための機能強化、各種交付金などの給付業務を「自治体ポイント」で行うことへの対応、取引履歴の記録などへのブロックチェーン技術の導入といった項目が盛り込まれており、現在は、持続可能で確実かつ安全に運用できるかどうか、その可能性を高めるための諸課題などを検討しているところです。
[イメージ]マイキープラットフォーム構想

QRコード決済の規格統一の動きも

キャシュレス化の支払い手段としては、電子マネー、デビットカード、モバイルウォレット、クレジットカードなどがあり、実現方法も多様化しています。「キャッシュレス・ビジョン」の検討過程では、クレジットカードを中心に議論が行われましたが、デビットカードや電子マネー、銀行口座間振込、FinTechを活用した新たなキャッシュレス支払等の他の支払手段についても、幅広く検討が行われる必要があると考えられています。

「キャッシュレス・ビジョン」公表後、QRコードを使ったスマートフォン向け決済サービスがゆうちょ銀行でスタートしたり、メガバンク3行でQRコードの決済の規格が統一されたりと、QRコード決済に関する大規模な事例が出てきています。QRコード決済に関しては、先述した「キャッシュレス推進協議会(仮)」の中で、年内にも統一化に向けた行動指針が示される予定ですので、今後さらに加速しそうです。

今後は、「キャッシュレス推進協議会(仮)」において、方策案の実行や成果にかかるモニタリング、銀行業界やその他のキャッシュレスに関する業界の取り組み、海外動向との調和も意識して、各種活動の旗振りや取りまとめを行っていく予定です。

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