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2018年6月15日、総務省が「地方公共団体におけるデータ利活用ガイドブック Ver.1.0(以下、ガイドブック)」を公表しました。これは、自治体が保有するデータを部局・分野横断的に活用し、効果的な政策立案や住民サービスの向上などに取り組むための手順やポイントをまとめた手引書です。今回はこのガイドブックの構成に沿って、第1〜3章のポイントをご紹介します。

<ガイドブックの全体構成>
第1章 「なぜ今、データ活用が必要なのか」
第2章 「データ活用した行政サービス改革」
第3章 「データを活用した行政サービス開発の進め方について」
第4章 「地方公共団体におけるデータを活用した行政サービス事例集」

付録
  1. 個人情報を含むデータ活用検討のためのワークシートについて
  2. データアカデミー実施概要について
  3. 姫路市の行政情報分析基盤に対する個人情報リスク評価について

第1章のポイント:自治体におけるデータ活用の意義・必要性

官民データ活用推進基本法」、「デジタル・ガバメント実行計画」など、行政サービスにおけるデータ活用に関連する法律の施行や政府の方針が公表されています。これらは、政府・地方・民間すべてを通じたデータの連携、サービスの融合を実現しようとするものです。
総務省でも、都市が抱える課題を解決するために「データ利活用型スマートシティ」を推進していますし、今や、自治体におけるデータ活用は欠かせません。ガイドブックでは、データ活用の意義・必要性について、「政策分析精度の向上」「住民サービスの向上」「行政職員の生産性向上」という三つの観点で実際の自治体事例を踏まえながら説明しています。

たとえば、「住民サービスの向上」といった観点では、これまでの行政サービスは、特定の大きなニーズを対象にしたものが多かったので、今後はさらに細やかな情報を把握することで、住民一人ひとりのニーズに応じた行政サービスを提供することが重要としています。
子育て分野におけるデータを活用した行政サービスの実証を行った千葉市の事例では、住民の属性情報を活用して、必要な人に必要な情報を必要なタイミングで提供する試みを行い、これまで物理的またはコスト的に難しかったサービスが、ICTの進化や普及、活用コストの低廉化などにより可能になってきたこと、そのためにも、個人情報の活用ルールの整備や活用促進がより必要となっていることが紹介されています。

第2章のポイント:これからの行政サービスとデータ活用

人口減少や限られた財源の中で、効率的・効果的に行政サービスを提供するため、自治体ではICTの活用や民間委託などの推進により、すでにさまざまな行政改革に取り組んでいるところだと思います。さらに、これにデータ活用を取り入れることで、新たな行政サービスを開発することができると期待されています。

たとえば、これまでの行政サービスでは住民や企業などからの申請や問題提起を受けてから行政が対応することが中心でしたが、データを活用したこれからの行政サービスは、過去のデータなどから将来の問題発生を予見して問題が起きる前に対応する予測・予防型のサービスや、個人情報などを安全かつ有効に活用して個人にカスタマイズし、プッシュ型で情報提供するサービスなどが考えられています。

これからのデータ活用
区分 これまで これから
活用データ 画一的な統計データ
  • リアルタイムデータ
  • より詳細なデータ
  • 短期・中長期の正確な未来予測
  • 個人情報や個人に紐付く情報
行政サービス 何か起きてからの対応(申請主義/事後対応)
  • 予測・予防型のサービス
  • 個人にカスタマイズしたサービス、プッシュ型のサービス
  • リアルタイムデータを活用した都市マネジメント
勘と経験による政策立案・評価 データに基づく政策立案・評価(EBPM)
自前での情報システム構築やサービス開発 民間サービスとの連携・活用(API等による民間への情報・サービスの提供)

出典:地方公共団体におけるデータ利活用ガイドブック Ver.1.0(本体)(総務省)

このようなサービスの開発には、さまざまなデータの収集・整理・活用が必要になります。そして、データ収集段階から、データの活用のしやすさや、個人情報の(個人情報が含まれる場合)保護について、配慮しておくことが重要になります。

第3章のポイント:データを活用した行政サービス開発の進め方

ガイドブックでは、データを活用した行政サービス開発を検討する際の手順を、「1.目的を定めよう」「2.サービス内容を考えよう」「3.実現方法を考えよう」「4.サービスを開発しよう」「5.効果や課題を確認しよう」の5ステップにわけ、それぞれのステップにおいて、具体的な作業をイメージしやすいよう、実証を行った千葉市や姫路市での実例を交えて説明しています。

[イメージ]データを活用した行政サービス開発の5ステップ

  • 出典:地方公共団体におけるデータ利活用ガイドブック Ver.1.0(概要)(総務省)

自治体はさまざまなデータを保有していますが、これらのデータを個人情報の保護に配慮しながら、部局・分野横断的に活用するためには、あらかじめ必要なデータが何か、どのような手続きが必要か、データの入手・共有方法はどうなっているのかなどを整理しておく必要があるので、ガイドラインの手順を参考にしながら進めることができるでしょう。

また、実証担当者のインタビューが収録されており(42ページから掲載)、実証の目的や成果、苦労した点、今後の展開、他の自治体へのアドバイスなどに、千葉市、姫路市それぞれの実証担当者が答えています。特に他の自治体へのアドバイスはに参考になると思われます。

ガイドブックの活用方法と今後の動き

このガイドブックには、ほかにも、データを活用した行政サービスの事例集(第4章)や、個人情報を含むデータ活用検討のためのワークシート(付録)なども紹介されているので、データ活用に取り組む際に参考にされるとよいと思います。

なお、このガイドブックはバージョンアップを想定してVer.1.0として公開されています。
今後総務省において実施される、自治体データ庁内活用相談会やデータ活用型公務員育成手法の検証を行う「課題解決型自治体データ庁内活用支援事業」で得た新たな事例や知見をガイドブックに反映し、全国に普及する予定です。

参考

(2018年8月6日 公開)

  • * 記事の内容は配信時点での情報をもとに作成しているため、その後の動向により、記載内容に変更が乗じている可能性があります。

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