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[イメージ]気になるAI〜今後注目のAI技術は?

気になるAI〜今後注目のAI技術は?

読んでナットク!自治体ICT

自治体のWebサイトのお問い合わせに活用されるなど、どんどん身近になってきているAI(人工知能)。IoT(Internet of Things)とともに今後の社会の発展には欠かせない技術です。同時にAI技術の種類も多岐にわたってきました。今回は、自治体に関連深いと思われるものや、今後注目のAI技術についてピックアップし、解説します。

働き方改革の観点で自治体が注目する「AI-OCR」

今後予想される人口減少やそれにともなう税収減少の影響のもとで、自治体は住民サービスの維持と向上に取り組んでいかなくてはなりません。つまり自治体にとって、業務効率化の検討は必須の課題であり、事務作業を効率化し、職員が本来業務に集中できるような働き方改革が必要となっています。そこで、帳票のデータ入力などの事務作業の効率化にAIを活用しようという動きが活発化してきており、そのうちの取り組みの一つがAI-OCRです。

AI-OCRは、OCR(紙やPDFの文字情報を電子化する技術)にAIの機械学習やディープラーニングを用いたもので、読み取り精度や識字率が従来のOCRに比べ格段に向上します。たとえば、OCRはフリーフォーマットで書かれた手書き文字の読み取りは苦手ですが、AI-OCRは非定型の様式から特定の項目を自動認識しデータ化することなども可能です。

さらに、最近注目されているのがRPA(Robotic Process Automation)と呼ばれる業務自動化の仕組みとの連携です。自治体業務では、紙の帳票を用いる業務が多数存在しているため、AI-OCRで読み取ることに加えて、RPAでその後の業務まで自動化できます。職員の手作業を削減できると期待されており、本来業務により集中することが可能です。
多くの自治体において実証実験などがスタートしており、紙の帳票をAI-OCRによってどの程度の精度で読み取れるかを確認して実用性を検証しています。

IT戦略の重点領域の一つで開発が進む「がん検査支援AI」

近年、AIのディープラーニングが、画像認識分野で高い認識率を実現しているのをうけて、医療分野において、画像診断支援のシステムが進歩しています。政府の戦略でも「AI開発を進めるべき重点領域」の一つとして画像診断支援があげられており、今後医療現場への導入が広がると予想されます。特に、がん検査において画像診断を支援するAIの開発が進められています。

たとえば、放射線画像診断では、CTやMRIなどで大量の画像を取得します。画像診断医はこれらの大量の画像データをくまなくチェックする必要があり、診断に非常に多くの時間を費やしています。
一方でAIを用いると、人が何万枚もの画像から学ぶ異常所見の特徴を、教師データ(*)をもとに自動的に取得することができ、データチェックの時間を削減できます。

加えて、放射線科の検査ワークフロー全体の効率化と合わせて開発することで、将来的には病気の早期発見や、それにともなう死亡率の低下や要介護者数の低減、健康寿命の延伸に寄与することが期待されます。

*
教師データ:画像診断に供するCTやMRIなどから得られる膨大なデータと画像診断医による正しい判断結果の蓄積

今後の市場拡大が気になる「AIクラウド」と「AIチップ」

近年、AmazonやGoogleなどのクラウドサービスを提供するIT企業が、AIの強化に取り組み始めており、自社が開発したAI技術を部品化して企業へと提供する事業に力を入れているという流れがあります。
その背景には、やはり「初期費用をなるべく抑えてAIを活用したい」というニーズがあるようです。そこで、大量データを扱えるクラウドのプラットフォーム上でAIサービスも提供してしまおうというのがAIクラウドです。従来のAIとAIクラウドにはそれぞれの特色があるので、その目的や予算によって、最適なものを選ぶとよいでしょう。

また、AIクラウドをささえる技術であるAIチップの開発も進んでいます。
AIチップをデータセンターに適用することで、大量の処理を高速かつ低消費電力で実行することができます。
また、AIチップをデータ発生源である各デバイスに適用することで、データセンターとの大量データのやり取りりに必要となる通信コストや通信遅延を低減することができます。

AIチップ市場は、データセンターや自動運転に使われることで2022年以降に急拡大へ向かうとみられており、経済産業省では、「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発事業」に着手しています。

IoT技術の発展により、PC、スマートフォン、カメラなどさまざまなデバイスがつながり、各デバイスから入手するデータ量は膨大になり、処理能力の向上も求められます。それぞれのデバイスにAIチップを搭載することで、消費電力を抑えながら高速化を図ることができます。

いかがでしたか?AIはさまざまな分野で活用され始めています。自治体分野においても、今後活用が広がっていくと思われますので、引き続きその動向に注目していきたいと思います。

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(2019年4月8日 公開)

  • * 記事の内容は配信時点での情報をもとに作成しているため、その後の動向により、記載内容に変更が生じている可能性があります。

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