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[イメージ]地域IoTを支える通信技術

地域IoTを支える通信技術

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あらゆるものがネットワークでつながるIoT。
IoTを使ってスマートな社会を実現するために、政府主導でさまざまなプロジェクトが進められています。
そんな中、総務省は地域の課題解決に資する多様なIoTサービスを支える通信技術を効率的に活用するためのガイドラインなどを策定しようとしています。

各地で実証中の「身近なIoTプロジェクト」

現在、防災、医療、農業分野など、地域IoTの実証が各地で行われています。これは、生活に身近な分野において、地域の課題解決に資するIoTサービスの実証を通じて、参照モデルを創出・展開するとともに必要なルールの明確化を行うもので、2018年7月の時点で14件の実証事業がスタートしています。

[イメージ]IoTサービス創出支援事業の概要(総務省)
出典:IoTサービス創出支援事業の概要(総務省)

IoT利用環境の適正な運用及び整備等に資するガイドライン

一方、IoTシステムで使う無線通信やその利用手法などは多様化しています。特に無線通信の場合は活用される現場、用途、頻度によって、電波に求められる精度、受信範囲、消費電力、セキュリティなどが異なることから、既存の単一の通信技術や規格でこれらのニーズに応えることは難しいとされています。

そんな中、総務省は地域の課題解決に資する多様なIoTサービスに係るシステムの適正な運用および整備の実証を踏まえて、ガイドライン等の策定を進めようとしています。
これは、さまざまな環境におけるIoTシステムで無線通信を含む電波の能率的な利用を確保するため、適切な電波強度、システムの整備方法、コストおよび電波利用環境構築のデータなどを収集し、ガイドライン等にまとめることで、他分野での応用や他地域への展開につなげようというものです。

6月中に委託先候補を決定・公表する予定で、その後11月頃に中間報告書の提出、2020年2月頃に成果報告書の提出を行うとしています。

[イメージ]事業イメージ(総務省)
出典:平成31年度予算 IoTの安心・安全かつ適正な利用環境の構築(IoT利用環境の適正な運用及び整備等に資するガイドライン等策定)事業概要資料(総務省)

「5G」「BLE」「LPWA」といった技術をどう組み合わせるか

前述の事業イメージの中で描かれているIoTサービスでは、「WiFi/5G」「BLE(Bluetooth® Low Energy)」「LPWA(Low Power Wide Area)」といった無線通信技術が使われています。
WiFiは、すでに私たちの生活の中に浸透していますが、次世代モバイル通信とよばれる5G、Bluetooth®の新規格であるBLE、省電力で長距離通信を可能とするLPWAは、これからのIoTには欠かせないものとして注目される技術です。

総務省の「平成29年版 情報通信白書」では、IoTを支える新たな通信技術として、特に「5G」と「LPWA」に着目し、各通信方式を速度、距離、消費電力、コストで比較し、次のように位置付けています。

[イメージ](出典)総務省「第4次産業革命における産業構造分析とIoT・AI等の進展に係る現状及び課題に関する調査研究」(平成29年)
出典:IoTを支える新たな通信技術 平成29年版 情報通信白書(総務省)

5Gは「超高速」「多数接続」「超低遅延」といった特長から、IoT社会を支えるスマートインフラとして本命視されており、2020年の商用化に向けた導入が進められているところです。しかし、消費電力・コストともに高くなります。

LPWAは、通信速度は5GやLTEと比較すると低速になりますが、一般的な電池で数年から数十年にわたって運用可能な省電力性や、数kmから数十kmもの通信が可能な広域性を有しており、コストも低くて済みます。

たとえば、遠隔手術のように高精細な映像が必要な場合は5Gのような高速接続性が求められますが、環境モニタリングのように、多くのIoT端末からの情報を収集する場合にはLPWAの省電力性や広域性が有用と考えられます。
このように、それぞれの特長を踏まえて、用途によって使い分けることで、さまざまな通信ニーズに対応していくことが期待されます。総務省の実証では、遮蔽物の対応方策、IoT機器の適性配置、運用時の課題整理などさまざまな通信ニーズが想定されています。今後公表されるガイドラインに注目ですね。

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