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[イメージ]2030年を見据えた行政サービスの方針

2030年を見据えた行政サービスの方針

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内閣官房IT総合戦略室のデジタル・ガバメント分科会において、2019年6月にグランドデザインワーキングチームが設置され、行政サービスのグランドデザインが検討されています。グランドデザインの策定は、デジタル・ガバメント実現のための基盤整備の取り組みの一つです。これまでの会議で、2030年の行政サービスのあり方や、デジタル時代の行政を支えるシステム・データ整備の方向性などが議論されてきました。この中から自治体に注目していただきたい部分をピックアップしてご紹介したいと思います。

2030年に実現する行政サービス像

デジタル時代の行政サービスのあり方は、現状の「縦割り」「こま切れ」「提供者目線」での行政サービスから、デジタル技術を活用し、国民中心の行政サービスに転換する必要があるとされ、2030年に実現する行政サービス像として以下を示しています。

[イメージ]2030年に実現する行政サービス像
出典:デジタル・ガバメント実現のためのグランドデザインについて(討議用)(内閣官房IT総合戦略室)

さらに、具体的な実現イメージもいくつか示されています。たとえば、死亡/相続分野においては、2030年には少子化・核家族化の影響で家族・縁者と疎遠な死亡者数が増加したり、デジタル形式で管理している財産が増え被相続財産の把握が困難になったりするであろうと想定し、死亡時の法定手続のデジタル化・ワンストップ化や、被相続財産の把握や法定相続人の確定を支援するために何をめざせばいいかが、5年単位で示されています。

[イメージ]デジタル時代の行政サービス実現イメージ(死亡/相続)
出典:デジタル・ガバメント実現のためのグランドデザインについて(討議用)(内閣官房IT総合戦略室)

システム・データ整備の基本原則

2030年に実現する行政サービス像を実現するための、政府情報システム・データ整備の方向性も示されています。

[イメージ]デジタル・ガバメントを支えるシステム・データ整備等の基本原則
出典:デジタル・ガバメント実現のためのグランドデザインについて(討議用)(内閣官房IT総合戦略室)

システムの在り方としては、使いやすいインターフェース、API連携、クラウド活用などが必要で、迅速性・効率性・安全性が同時に成り立つ環境を想定しており、データ活用の在り方については、行政の保有する社会基盤データ(ベース・レジストリ)の整備とデータ活用のエコシステムが必要と同時に、行政内部のデジタル化や、調達・開発手法、人材育成の考え方も変革しなければいけないとしています。

そのうえで、(1)ユーザー体験志向、(2)データファースト(3)政府情報システムのクラウド化・共通部品化、(4)政府のスマート化という、基本原則を示し、課題認識や取り組みの方向性をまとめています。たとえば、「サービス設計12箇条」の実践と方法論の確立、ベース・レジストリの整備、クラウド活用の本格化、利便性と両立するセキュリティ強化、横断的なデジタル人材の育成と政府の実施体制の整備、Society5.0時代のガバメントへの転換といった項目が明記されています。

注目は、「ベース・レジストリの整備」

基本原則の中で特に注目していただきたいのが、「ベース・レジストリの整備」です。
ベース・レジストリとは、公的機関などで公開され、さまざまな場面でその情報が参照される「人」、「法人」、「土地」、「資格」といった社会の基本データのことです。
日本のベース・レジストリは、海外と比べると整備が進んでいないという現状があります。

一方、欧州やアメリカでは個人、法人、地理空間、不動産、インフラ、証明・資格などの情報がベース・レジストリと定義され、重要なプロジェクトとして整備が進められています。なぜなら、ベース・レジストリはワンスオンリーやスマートシティを支えるものと考えられているからです。実際に、欧州各国は、ベース・レジストリを、各担当組織の中で正確かつ最新に管理しており、市町村合併などがあると、全ベース・レジストリの情報が連動して更新されます。また、先進スマートシティでは、国だけでなく自治体もベース・レジストリの整備を進めています。

[イメージ]ベース・レジストリが整備ずみの国・都市、ベース・レジストリが遅れているの国・都市
出典:デジタル・ガバメント海外事例と日本の現状(内閣官房IT総合戦略室)

グランドデザインでは、「ベース・レジストリの整備が遅れれば、データ収集でコストと時間を浪費し、ワンスオンリーやスマートシティは実現できない」として、以下に取り組むとしています。

  • ベース・レジストリの基本方針とロードマップの作成
    ベース・レジストリの要件、優先課題、推進方策等について整理、基本方針等を策定
  • ワンスオンリー推進のためのベース・レジストリの整備
    行政サービスデータ連携モデルを拡充。法人に関するベース・レジストリのデータ品質や公開方法に関する見直しのためロードマップを作成
  • ワンスオンリー実現のためのガイドライン等の整備
    ワンスオンリー実現のためのベース・レジストリ整備・活用のためのガイドを整備する
  • 地図・地理情報ベース・レジストリの整備
    地図・地理情報ベース・レジストリ整備について検討、ロードマップを策定

以上、行政サービスのグランドデザインについてお届けしました。
グランドデザインは、2030年の社会や技術動向をふまえた行政サービスのあり方とそれを支えるシステムやデータ整備の方向性です。今後は、これをベースに政府全体で共通的に利用するシステム、基盤、機能などが構築されることになります。特にベース・レジストリの整備は、社会全体でデータ利活用するための基盤となるため、国と自治体が一体となって取り組むことが求められます。

参考

(2020年4月6日 公開)

  • * 記事の内容は配信時点での情報をもとに作成しているため、その後の動向により、記載内容に変更が乗じている可能性があります。

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