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[イメージ]自治体窓口のキャッシュレス動向

自治体窓口のキャッシュレス動向

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政府は、2025年までにキャッシュレス決済比率40%をめざしています。行政機関においては、ペイジーやクレジットカードでの支払いが可能なサービスを行うなど、支払い方法の多様化を進め、キャッシュレス化に取り組んでいるところです。
2019年3月には、総務省から各自治体あてに、電子マネーを利用した公金収納の取り扱いが可能である旨の通知がなされており、自治体窓口においてもキャッシュレス化が進んでいくと考えられます。
現時点での自治体窓口におけるキャッシュレス動向を紹介します。

政府によるキャッシュレス推進の歩み

政府は、「日本再興戦略」改訂2014で「キャッシュレス決済の普及による決済の利便性・効率性の向上」を掲げてから、さまざまな政策の中でキャッシュレスを推進しています。2018年4月に発表された「キャッシュレス・ビジョン」では、社会全体でこれまで以上のスピードでキャッシュレス化を推進していくことが明示されています。

さらに、実現に向けては、オールジャパンの体制で取り組むべきだとして、中立的な推進役となる「一般社団法人キャッシュレス推進協議会」が設立されました。産学官が連携し、キャッシュレス推進に必要な情報提供、ファシリテーション、政策提言などを行っています。
2019年4月に発表された「キャッシュレス・ロードマップ 2019」では、キャッシュレス推進に関連するイベントやマイルストンと活動の方向性をマッピングしたものが示されています。

[イメージ]キャッシュレス・ロードマップ 2019(概要版)
出典:キャッシュレス・ロードマップ 2019(概要版)(一般社団法人キャッシュレス推進協議会)

自治体窓口に広がるキャッシュレス

自治体窓口におけるキャッシュレス化のメリットは、住民サービスの向上と事務の効率化です。
現金でのやり取りがなくなると、具体的に以下のようなメリットが考えられるため、キャッシュレス化の必要性を認識している自治体も多いのではないでしょうか。

自治体窓口におけるキャッシュレス化のメリット
住民サービスの向上 事務の効率化
  • おつりの授受などがなくなり、スピーディに行政サービスを提供することができる。
  • 住民にとって支払いの選択肢が増える。
  • おつりの準備、受領した金銭の管理といった手間を省くことができる。
  • 現金の紛失、盗難といった問題がなくなる。
  • 現金の授受に時間を割く必要がなくなり、住民サービスに集中することができる。

参考:キャッシュレス決済導入手順書の概要(経済産業省)をもとに事務局で表作成

千葉県習志野市では、2020年2月から、窓口で発行する証明書などの手数料を電子マネーやクレジットカードなどで支払うことができるようになりました。「普段から使っている電子マネーが市役所でも使えて便利」と市民の評判も上々です。

また、PayPayやLINE PayなどのQRコード(*)決済サービスを活用する自治体も増えています。
住民にとっては、普段使い慣れているアプリから時間と場所を選ばずに決済できるため、収納率向上にもつながっているようです。税金や手数料などの公金を収納する業務では、滞納が問題となりますから、収納率向上は自治体にとってもメリットです。
なお、QRコードは、規格がサービスによってバラバラなため、政府主導で統一化する取り組みも進められています。2019年度には、岩手県、長野県、栃木県、和歌山県、福岡県の5県で、この統一コード「JPQR」普及事業がスタートしました。

*
QRコードは株式会社 デンソーウェーブの登録商標です。

自治体のための「キャッシュレス決済導入手順書」とは?

一方で、「どうやって導入すればいいかわからないという自治体が多い」という調査結果も出ています。

2019年9月には、デジタルガバメント技術検討会議が「行政におけるキャッシュレス決済入門」を発表しました。これは、行政サービス(使用料、手数料等)や税に関する少額決済へのキャッシュレスサービスの導入を検討するために、行政職員向けに基本情報を整理した参考資料ですが、「実際の導入に当たってはサービス事業者や専門家に相談してください。また、会計規則、関連規程の見直しや手続の変更(業務の見直し、BPR)が必要になることにも留意が必要です」という位置付けのものでした。

新たな成長戦略実行計画のたたき台の中には、「自治体の公共料金のキャッシュレス化推進」が盛り込まれ、手順書を策定して自治体のキャッシュレス化を後押しすることが明示されています。この手順書を、一般社団法人キャッシュレス推進協議会が、自治体のキャッシュレス化に関する課題の抽出や先行事例の調査を実施した結果を基に、「キャッシュレス決済導入手順書(初版)(以下、手順書)」がとりまとめられました。

手順書の内容は、キャッシュレスを導入する重要性のほか、自治体にとっての導入目的やメリットとともに、キャッシュレス決済の導入手順をまとめたものとなっています。導入手順は大きく分けて、「1.導入対象施設・窓口および推進部門の決定」、「2.導入する決済手段の決定」、「3.関連規定・会計処理の検討」、「4.決済事業者および設備等の決定」「5.導入・予算要求」のプロセスが想定されており、各プロセスについて、留意すべき点や対応方法、先行自治体における事例などが記載されています。

あわせて経済産業省では、この手順書に従って自治体窓口や、公共施設のキャッシュレス化を進め、手順書の改善点などをフィードバックする「モニター自治体」を募集し、29自治体を選定しました。今後は、モニター自治体におけるキャッシュレス化のプロセスから生じるノウハウや課題について2020年度末までに、手順書に反映し、内容を拡充させていく予定です。

消費増税にともなうポイント還元事業などにより、私たちの生活の中でも身近になってきたキャッシュレス。 消費者庁が行ったキャッシュレス決済に関する意識調査では、「自治体への支払いのキャッシュレス化」への期待が大きいという結果が得られています。社会全体でもキャッシュレス化が進んでいますし、自治体にとっても住民サービスの向上や事務の効率化などのメリットがあるため、自治体窓口におけるキャッシュレス化の取り組みが加速していくでしょう。

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