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執筆:森重 福一(株式会社 日立システムズ 公共・社会事業企画本部 公共事業企画部)

Withコロナ/Afterコロナにおけるニューノーマルの視点が求められている中、2020年7月に「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)2020」、および「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画(IT新戦略)」が閣議決定され、9月には菅新内閣が発足して新たなデジタル政策が示されています。これら政府の政策に計画的に対応するために、市町村官民データ活用推進計画の策定をお勧めします。

IT新戦略の閣議決定

7月17日に閣議決定されたIT新戦略では、新型コロナウイルス感染症が日本の経済、生活、働き方、教育、行政、医療、防災などさまざまな分野での社会や価値観の変容をもたらしたとして、ニューノーマルの視点を求めています。また、新型コロナウイルス感染症対策の現金給付(特別定額給付金、雇用調整助成金など)に手間取った例など、国民本位で行政のデジタル化が思うように進んでいないことが課題となっています。

[イメージ]デジタル強靱化の社会におけるIT新戦略の全体像
出典:IT新戦略の概要〜デジタル強靱化社会の実現に向けて〜(内閣官房IT総合戦略室)

政府の「デジタル強靱化社会におけるIT 新戦略の全体像」の基本的な考え方は、国民が安全で安心して暮らせて、豊かさを実感できる強靱なデジタル社会の実現です。

具体的には、Afterコロナのニューノーマル視点として、国民の生命を守り、経済を再生するためのデータ利活用を推進すると同時に、接触機会を減らし、利便性を向上させるためのデジタルガバメントが大きな柱となっています。また、デジタル社会の基盤としてマイナンバー制度を推進することや、地方との密接連携を要する取り組みとして、すべての市町村においてマイナポータル・ぴったりサ−ビスを活用すること、業務プロセス・システムの標準化、クラウド、AIの活用が求められています。

見えてきた政府の方針

7月17日に「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)2020」やIT新戦略が閣議決定され、9月17日には菅新内閣が発足して新たな政策も提案されたことにより、次のようなデジタル化に向けた取り組みが加速しています。

  • 行政手続きのオンライン化・脱ハンコを推進する。
  • マイナンバーカードの普及拡大および国と地方のデジタル基盤の抜本的な改善については、2020年末までに新しい工程表を作成する。
  • 地方公共団体の情報システムについては、地方自治体の自主性を尊重しながら、システム基盤の統合や共通的なサービスを提供できるような仕組みを今後5年間で実現する。
  • デジタル化推進のため、今後3年間を集中投資期間と位置付け、重点的に予算措置する。
  • IT基本法を抜本的に見直した改正案とデジタル庁の設置について、来年の通常国会での提出をめざす。

2020年度の予算編成プロセスとIT関連のイベントを整理すると次のようになります。

時期 予算編成プロセス IT関連のイベント
6〜7月 骨太方針とIT新戦略の閣議決定  
7月17日   骨太方針とIT新戦略の閣議決定
9月下旬 各省における概算要求※  
9〜12月 予算編成作業  
12月中旬 財務省案の策定 デジタルガバメント実行計予算成立画の改定
12月下旬 政府案の閣議決定 マイナンバー制度および国と地方のデジタル基盤の抜本的な改善に向けて新たな工程表を策定
1〜3月 政府が国会に予算案を提出 IT基本法の全面改正案やデジタル庁の設置を通常国会に提出
予算案の国会審議
予算成立
通常は8月下旬締め切りだが、2020年度は新型コロナウイルス感染症関連の対応で1か月延期となっている。

市町村官民データ活用推進計画策定の勧め

都道府県は2016年に施行された官民データ活用推進基本法により、都道府県官民データ活用推進計画を策定しなければなりません。しかし、市町村(特別区を含む)においては、市町村官民データ活用推進計画の策定は努力義務なので2019年7月時点で75団体に留まっています。

今回実現しようとしているデジタル強靭化社会は、行政だけでは実現できません。社会全体のデジタル強靭化を行政、民間企業、住民が手を取り合い、データの発生から手続き完了までをエンドツーエンドで実現しないと効果がないからです。そのためにも、政府の関連施策と連携し、自治体の独自性も考慮したうえで、情報化推進計画や官民データ活用推進計画を長期視点で策定し、住民や民間企業にも提示することが有効だと考えます。

また、2019年のIT戦略には「2020年以降、地方公共団体のデジタル化のために国が地方公共団体に対し財政支援する場合は、地方公共団体の市町村官民データ活用推進計画に位置付けられた施策を対象とすることとする」との記載があり、より積極的な市町村官民データ活用推進計画の策定が求められています。

執筆者プロフィール

[画像]森重 福一

森重 福一
(株式会社 日立システムズ 公共・社会事業企画本部 公共事業企画部)
日立システムズに入社し前半は中央官庁のSEとして大規模プロジェクトを経験し、後半は、自治体のパッケージ開発部門で電子自治体や地域情報プラットフォーム対応に携わる。その後は、国や自治体関連のコンサル業務をメインに活動中。コンサルとしては、自治体クラウドやマイナンバー対応に携わり、個別案件の提案、講演会、勉強会、ユーザー会などを精力的に取り組み最新情報の共有、発信に努めています。

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