はい。PaaS(Platform as a Service)とは、アプリケーションを稼働させるためのハードウェアやミドルウェア、OSなどのITリソース一式をネットワーク経由で利用できるサービスです。SaaSとの差異ですが、SaaSはネットワーク経由で提供されるアプリケーションをサービスとして利用しますが、PaaSはアプリケーションを動かす環境をサービスとして利用し、その上で動かすアプリケーションは自組織で所有するものです。
PaaSには、大きく三つのメリットが挙げられます。
一つ目は、ITリソースを必要なときに必要な分だけ利用できるので、一時的な利用や、短期間でシステム利用を開始しなくてはならない際に利用するのに便利です。
二つ目は、ハードウェアやミドルウェアの管理・メンテナンスから開放されるという点です。自己導入型のシステムではアプリケーションの準備だけでなく、ハードウェアやミドルウェアの管理やメンテナンスに人員・時間を割く必要がありますが、PaaSであればそれらを意識する必要がなく、システム管理者の負荷が軽減されます。
三つ目は、リソースの増減が簡単に行えるという点です。例えば、Webサービスの提供などを例に取ると、ユーザーが少ない立ち上げ当初は最低限のスペックのみ利用し、ユーザーが増えてきたら処理能力を増強していくということを簡単に行うことができます。これによって、余分なITコストを省くことが可能となります。また、導入から時間が経過し、相対的にハードウェアの処理能力が下がってきたというような時も、物理的にハードウェアを入れ替えることなく、処理能力の増強だけを行うことができます。
また、BCPの観点から言うと、庁舎から離れた災害に強いデータセンターにITリソースを置いておけるということも大きなメリットの一つと考えられると思います。これまで利用してきたアプリケーションを庁舎のサーバー上からデータセンターにあるPaaS上に載せかえるという選択肢は検討の余地があると思います。
(2011年10月26日)
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