読んでナットク!自治体ICT
「ゲーミフィケーション」という言葉が注目されています。これはゲームの要素(競争、レベルアップ、ポイント取得など)や技術、ノウハウなどを、ゲーム以外の分野に応用し、ユーザーのモチベーションを高めたり、取り組みを活性化させるマーケティング手法のことです。
ゲーミフィケーションを活用した代表的な例として、航空会社のマイレージプログラムが挙げられます。航空会社を利用するたびにマイレージ(ポイント)が貯まり、航空券と交換できたり、搭乗実績に応じてステータスが上がったりしていくことで「この航空会社を利用しよう」というユーザーのモチベーションアップに繋がっています。また、何度も利用してもらうことで、航空会社はユーザーから「愛着」や「信頼」を獲得することができるのです。
こうした手法は、多くの企業や団体などで取り入れられていますが、最近はソーシャルメディアとの連動で、仲間と一緒に楽しむという要素を取り入れた例なども多く出てきています。
例えば、スポーツメーカーのNIKEのランニング支援アプリは、走行距離やルートなど自分のランニング成果を見える化するだけでなく、FacebookやTwitterと連動し、仲間と競ったり、励まし合ったりすることができます。Facebookにランニング中であることをアップし「いいね!」がつくと、歓声が流れる機能まであり、くじけそうなユーザーの「もうひとがんばり」を後押しします。このように、走ることが楽しくなる仕組みを提供することで、ユーザーのモチベーションを向上させ、さらには「ランニングといえばNIKE」といったブランドイメージの形成やNIKE商品の購買に結びついていくのです。
千葉県市川市では地域ポイント制度「いちかわエコボカード」を導入しています。市の指定するボランティア活動やエコ活動、Webの市民モニターなどに参加するとポイントが付与され、貯まったポイントを市の動植物園やプールの入場、コミュニティバスの無料チケットなどに換えることができる取り組みです。
自分の活動を数値で見ることができるので達成感があり、景品と交換できることが、次の活動へのモチベーションに繋がります。
このように、さまざまな分野で取り入れられているゲーミフィケーション。
自治体では、住民の地域への愛着を深めたり、楽しみながら地域の活動に参加してもらったりすることなどが期待できるので、取り入れてみてはいかがでしょうか。
(2013年1月9日)
配信を希望される方へ
自治体ICTに関する旬な記事を月2回メールマガジンでお届けします。登録は無料です。