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Q.2018年4月に総務省から「地域IoT実装推進ロードマップ(改定)」が公表されました。前回の改定(2017年5月)から更新された部分を教えてください

はい。今回の改定では新たに重点分野として「子育て分野」が追加されました。
IoTなどの本格的な実用化の時代を迎え、総務省はすでに実施されている実証事業や先行モデルの成果を日本全国に波及させるため、2016年から「地域IoT実装推進タスクフォース」を開催しています。
同タスクフォースにおいて、子育て支援は日本にとって喫緊の課題であること、ICTの活用が期待されていること、すでにデータ利活用の基盤が構築されつつあることなどが議題となり、さまざまな議論がなされた結果、ロードマップに追加されることとなりました。

Q.今回追加された 「子育て分野」の取り組みを教えてください

はい。「子育て分野」として、「妊娠・出産・子育て支援PHR(*)モデル」と「子育て支援プラットフォーム」という二つのプランがロードマップに追加されました。これらについて紹介していきます。

*
Personal Health Record:個人の生涯にわたる医療などのデータを自らが時系列で管理し、多目的に活用する仕組みのこと。

「妊娠・出産・子育て支援PHRモデル」

「妊娠・出産・子育て支援PHRモデル」とは、国民一人ひとりが妊娠・出産・子育てに関するデータを時系列的に管理し、本人の状態に即したサービスを享受できるモデルの導入をめざす取り組みです。
個人が自らのデータを管理し、行政などがそのデータをさまざまなサービスへ活用することにより、子育て負担の軽減などをめざします。
2020年度までに達成すべきKPIとして、本モデルの実装主体20団体、利用者数3万人と設定しています。
なお、2016年度からの2018年度まで、群馬県前橋市においてPHR利活用研究事業が行われています。これは、自治体保有の乳幼児健診、予防接種に関するデータ、産科医院の妊婦健診に関するデータ、お薬手帳のデータ、妊婦本人のバイタルデータなどをPHRとして収集し、関係者で共有・活用することで、母子への効果的な健康支援、迅速な救急医療の実現、データの二次利用による疾病予防研究への活用をめざす研究事業です。

[イメージ]妊娠・出産・子育て支援PHRモデル(前橋市)の概要

「子育て支援プラットフォーム」

「子育て支援プラットフォーム」とは、子育て世帯における個人の属性に応じた最適な子育て支援環境・情報などを提供するプラットフォームの導入をめざす取り組みです。
子育て経験を持つ地域住民との助け合いを容易にする環境や、最適な子育て支援に関する情報を提供します。子育て支援環境を整えることにより、子育てに関する不安・負担を軽減し、出生率の向上や子育て世帯の就労促進などをめざします。
2020年度までに達成すべきKPIとして、本モデルの実装地域数を30地域と設定しています。
達成に向けて政府は、「子育て支援システム」の成功モデルの創出と普及、「子育てワンストップサービス」のさらなる普及の2本柱で推進していく方針にしています。
「子育て支援システム」については、シェアリングエコノミー型の地域コミュニティの実現や、ビッグデータ利活用による保育所入所手続きの効率化などが検討されています。
また、マイナポータルを活用した「子育てワンストップサービス」については、さらなる普及をめざし周知広報に力を入れていくことになっています。

住民・行政・企業のデータ利活用による住民サービスの充実、地域における新たなビジネス・雇用の創出などを実現し、地域の課題解決を図るための効率的・効果的なツールとして、IoTには大きな期待が寄せられています。IoTの本格的な実用化に向けた今後の取り組みにも目が離せませんね。

参考

  • マイナポータルとは:子育てワンストップサービス(ぴったりサービス)で実現すること(内閣府)

(2018年6月25日 公開)

  • * 記事の内容は配信時点での情報をもとに作成しているため、その後の動向により、記載内容に変更が生じている可能性があります。

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