はい。デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation/以下、DX)は、AIやIoTといったデジタル技術の活用により、従来のビジネスや組織を変革し、新たな価値を生み出すことを意味します。
将来の成長、競争力強化のために、新たなデジタル技術を活用した新たなビジネスモデルの創出や、従来の仕組みの柔軟な改変が求められています。
従来の「ITによる業務効率化」と「DX」の違いを、ホテル業を例にしてご説明します。
例えば、ホテルが独自にWebサイトを立ち上げて集客を円滑にしたり、そこから予約を可能にするといった取り組みは、ITによる業務効率化にあたります。これに対し、複数のホテルを比較して予約できるサイト/ビジネスの登場、それによるホテル業そのものの変化がDXなのです。
DXの取り組みを先送りにした場合、今後、IT維持・保守のコストが高騰し、既存システムを維持・保守できる人材が枯渇し、セキュリティ上のリスクが高まることが懸念されています。このような課題は、企業だけでなく社会インフラやITシステムを運営する行政にも重要と考えられます。
このような背景のもと、経済産業省では、省内のDXを組織的に推進する「経済産業省デジタル・トランスフォーメーションオフィス(以下、DXオフィス)」を設置しました。これは、経済産業省における「デジタル・ガバメント中長期計画」の一環で、業務プロセスの見直しからサービスデザイン、開発、運用、データの利活用までを省内で一貫した形での実現をめざしています。
出典:各府省におけるデジタル・ガバメントを戦略的に推進するための中長期計画について(首相官邸)
はい。経済産業省がDXを推進することで実現をめざす姿は次のとおりです。
BEFOREがITによる業務効率化、すなわちこれまでの電子政府、AFTERがDXを示します。
出典:経済産業省のデジタルトランスフォーメーションについて(経済産業省)
DXオフィスでは、今後、次の通りDXを推進していく予定です。
(1)企業が一つのID・パスワードで複数の電子的な行政手続を可能とする法人共通認証基盤や、補助金申請のシステムを構築し、2018年度以降順次試行的に運用するとともに他府省への展開を進めます。
(2)行政手続のみならず、中小企業向けの支援制度や支援機関などのプッシュ型での発信なども含む中小企業支援プラットフォームの構築に今年度着手し、順次サービスを開始します。
(3)省内の業務システムの効率化のための職員データの整備など、バックオフィスの効率化について2018年度より着手し、進めていきます。
なお、(1)は「法人デジタルプラットフォーム」構築事業として2020年度の概算要求にも盛り込まれていますので、今後の動向に注目ですね。
(2018年10月22日 公開)
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