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Q.2019年3月に、いわゆるデジタルファースト法案が閣議決定しました。どのような内容ですか

はい。デジタルファースト法案は「デジタル手続き法案」とも呼ばれており、行政手続きを原則として電子申請に統一するための法案です。正式名称は「情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律案」です。
本法案では、情報通信技術を活用し、行政手続等の利便性の向上や行政運営の簡素化・効率化を図るため、次の3点を基本原則として定めています。

  • 個々の手続きをオンラインで完結させる「デジタルファースト」
  • 同じ情報の提供を何度も求めない「ワンスオンリー」
  • 複数の手続きを一度で終わらせる「コネクテッドワンストップ」

類似する法律として2002年に公布された行政手続オンライン化法がありますが、本法案との違いは、どの手続きをオンライン化するかを各府省ではなく、内閣が「情報システム整備計画」で定める点と、添付書類を基本的に撤廃する点です。また今回、行政手続オンライン化法の改正に加え、マイナンバー法と公的個人認証法、住民基本台帳法も一括改正が決定され、順次施行されます。概要は次のとおりです。

[イメージ]デジタル手続法案の概要(1)

[イメージ]デジタル手続法案の概要(2)

Q.手続等はどのように変わりますか

はい。法案が可決・施行されると、大きく次の4点が変わる見通しです。

  1. 国外転出者に関する手続のオンライン化
    海外に住んでいる日本人も、マイナンバーカードを使い納税や年金受給の手続きをネットでできるようになります。
  2. 情報システムを活用した行政事務拡大への対応
    マイナンバー制度の活用により、年金など長期にわたり個人情報をシステム上管理する事務の効率化が期待されています。また、住民からのニーズの高かった「土地所有者の探索」「休眠預金の活用時の同一人性の証明」「車の廃車や譲渡時の同一人性の証明」などが行えるようになる予定です。
  3. オンライン本人確認手段の利便性向上
    電子証明書について暗証番号入力を要しない利用方法が検討されており、実現すると利用者の利便性が向上します。また、マイナンバーカードは2020年度から健康保険証として活用される予定です。これにより、医療機関窓口で、多様な疾患を持つ患者の本人確認を円滑に行えることなどが期待されています。
  4. マイナンバーカードの取得の促進
    現在の紙製の通知カードは廃止される予定です。また、施行日時点で交付されている通知カードは経過措置として、記載事項に変更がないか、正しく変更手続きがとられている限りは、マイナンバー証明書類として利用できるようになる見通しです。

今回の法案は、オンラインの実施を原則としつつも地方公共団体は努力義務としていることや、民間手続きに「支障がないと認める場合に」と但し書きがついている点が懸念されていますが、施行後に行政手続等の利便性の向上や行政運営の簡素化・効率化が大きく前進することが期待されています。

参考

(2019年5月27日 公開)

  • * 記事の内容は配信時点での情報をもとに作成しているため、その後の動向により、記載内容に変更が生じている可能性があります。

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