読んでナットク!自治体ICT
2012年7月に「電子行政オープンデータ戦略」が発表されたことを皮切りに、政府によってオープンデータ活用の普及に向けた技術水準の検討や啓発活動などが進められてきました。2013年12月に立ち上げられた、データカタログサイト「DATA.GO.JP」には、2019年12月時点で25,737件のデータセットが公開されています。
自治体のオープンデータ化については、2016年12月に成立した「官民データ活用推進基本法」で、都道府県に官民データ活用推進計画の策定が義務付けられました。政府は2020年度までに自治体のオープンデータ取り組み率100%を目標としていますが、現在の取り組み状況はどうなっているのでしょうか。
内閣官房IT総合戦略室調べでは、オープンデータに取り組み済みの自治体は、年々増えてきており、2018年3月には、都道府県のオープンデータ取り組み率は100%を達成しています。市区町村での取り組み率は、右肩上がりに増えてはいますが、2019年9月時点で約37%(652/1,788自治体)にとどまっています。都道府県別に、県内の市区町村のオープンデータ取り組み率を見てみると100%を達成しているのは福井県、京都府、島根県、富山県の4県のみです。
出典:第9回 官民データ活用推進基本計画実行委員会 オープンデータワーキンググループ 資料2-1(首相官邸)
一般的に、自治体のオープンデータ施策に影響を与える要因は、人口や財政力などの自治体規模による影響が大きいと考えられていますが、筑波大学の調査研究によると、「庁内におけるデータ活用や外部団体との協力関係の度合いがオープンデータ施策の進展と関係あることが観察できた」としており、特に小規模自治体で先進的な取り組みを推進しているところには以下の特徴があるとしています。
出典:第9回 官民データ活用推進基本計画実行委員会 オープンデータワーキンググループ 資料2-3(首相官邸)
総務省では、自治体のオープンデータ化のため、2012年度より、以下の環境整備を進めてきました。
一方で、内閣官房が実施した自治体へのアンケート調査の結果では、「オープンデータの効果・メリット・ニーズが不明確」、「オープンデータを担当する人的リソースがない」といった課題が明らかになりました。これを受けて総務省は、2018年度から、自治体職員がデータ利活用の意義やデータ公開に関する知識・技術を体系的に習得できる研修などを行っています。
さらに、研修で使用した教材と、研修と同様の内容を学ぶことのできる「e-learning」「Web演習」環境や、オープンデータ全般に関する問い合わせ窓口、関連リンク集(ガイドライン・手引書、推奨データセット、事例集など)を整備した「オープンデータ 研修ポータル」も開設しています。これからオープンデータに取り組みたいという場合には、まずは、こちらのWebサイトにアクセスすることをお勧めします。
併設されている「オープンデータ相談サイト」内のQ&Aでは、実際に、オープンデータ化に踏み出した時の過程でよくある疑問・質問とその回答がまとめられています。「自治体がオープンデータを効果的に進めるには、どこから取り組めばよいですか?」、「オープンデータの担当になりました。まずは何をすればよいですか?」など、気になる質問が多いのでぜひご参照ください。
(2020年1月14日 公開)
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