読んでナットク!自治体ICT
執筆:森重 福一(自治体ICTコンサルタント)
テレワークの推進は「自治体DX推進計画」の重点取り組み事項の1つとなっており、現在、事例やセキュリティポリシーガイドラインなどを参考にした、さらなる導入・活用の推進が求められています。また、新型コロナウイルスの感染拡大時においては、パンデミックや災害が発生した際でも業務が継続できることの必要性を再確認しました。今回は、テレワークに関する政府・総務省の推進施策を改めて整理するとともに、できることからスモールスタートすることの重要性をまとめます。
自治体でのテレワーク導入における主な課題と、それぞれの課題を解決するために確認をお勧めする政府、総務省の推進施策および支援については、以下のとおりです。
出典:地方公共団体におけるテレワーク推進のための手引きについて(総務省)
また、このほかにも以下のような支援施策や参考情報があります。
課題 | 支援施策、参考情報 |
---|---|
導入コストが賄えない | ・LGWANを活用した自治体テレワーク推進実証実験 ・地方創生テレワーク交付金 |
情報セキュリティの確保に懸念 | ・新型コロナウイルスへの対応等を踏まえたテレワークセキュリティ要件 ・テレワークセキュリティガイドライン(第5版) ・情報セキュリティ10大脅威 2021 |
職員の労務管理等のルール整備が困難/ テレワークをどのように進めてよいか分からない |
・地方公共団体におけるテレワーク推進のための手引き ・地域情報化アドバイザー派遣制度(ICT人材派遣制度) ・テレワークマネージャー相談事業 |
現在、J-LISとIPAが共同でLGWANを活用したテレワークの実証実験を実施中です。実証実験に参加しているのは2020年度時点で460団体、利用端末数は約34,000台であり、2021年度の追加公募分も加えて、多くの自治体で活用されています。このテレワーク環境は2021年度末まで無償提供中です。
自治体テレワーク推進実証実験の概要については以下の図をご参照ください。
出典:地方自治体のデジタルトランスフォーメーション推進に係る検討会(第3回)
「LGWANを活用した自治体テレワーク推進実証実験」(総務省)
テレワークの推進は手引きでも示されているように、できるところからスモールスタートをしてみることがポイントだと考えており、以下の点でもお勧めです。
皆さまもこれを機に、テレワークについて改めて検討し、取り組んでみませんか。
森重 福一(自治体ICTコンサルタント)
株式会社 日立システムズに入社し、前半は中央官庁のSEとして大規模プロジェクトを経験、後半は自治体のパッケージ開発部門で電子自治体や地域情報プラットフォーム対応に携わる。日立システムズ退社後も、国や自治体関連のコンサルティング業務をメインに活動中。自治体クラウドやマイナンバー対応に携わり、個別案件の提案、講演会、勉強会、ユーザー会などを精力的に取り組み最新情報の共有、発信に努めています。
(2021年12月6日 公開)
配信を希望される方へ
自治体ICTに関する事務局おすすめの記事をメールマガジンでお届けします。登録は無料です。