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政府は、情報システムを導入する際の第一候補としてクラウドサービスを検討する方針「クラウド・バイ・デフォルト」原則を掲げ、自治体や政府のIT改革を進めているところです。
自治体など行政機関におけるIT調達は総合評価方式となっており、価格競争方式と比較して調達期間が長い、透明性・公平性の担保が難しい、という課題があるとされていました。

これらの課題に対する取り組みとして注目されているのが、「デジタルマーケットプレイス(以下、DMP)」です。
DMPは、行政機関がオンライン上でITサービスやソリューションを迅速かつ高い透明性をもって調達できるよう支援する仕組みです。デジタル庁主導で検討が進められ、2023年11月に「DMP デジタルマーケットプレイス α版」が公開されました。

Q.DMPとは何ですか?

DMPは、イギリス政府が創設したIT調達の仕組みです。オンラインのカタログサイトに事業者が価格表、サービス仕様、利用規約の3つを登録・公開します。行政機関は調達仕様に沿ってカタログサイトを検索してサービスを絞り込み、最適なサービスを選択して契約します。競争入札を行うことなく調達できるため、2週間程度で契約することも可能になります。
DMPは、IT調達の迅速化だけではなく、調達額削減にも寄与しています。イギリスでは、2009年時点の政府のIT調達比率は大手企業が8割を占めていましたが、DMP導入により2021年度には調達比率が大手6割、中小企業4割に変化しました。この結果、調達市場のコスト競争力が上昇し、160億ユーロから90億ユーロまで調達額を抑えることができました。

一方、日本の行政機関におけるIT調達は、調達の都度、仕様に対して複数社が提案と価格を提示し、両面から最も優れた事業者が落札していました(総合評価方式)。この方式には、「調達期間が長く、手続きが官民双方で負担になる」、「参入障壁が高く、市場の透明性が低い」といった課題がありました。
そこで、デジタル庁はイギリスのDMPを参考に、IT調達の迅速化と調達先の多様化をめざし、行政機関やITベンダー、有識者らと検討を重ねました。そして、クラウドソフトウェアおよびその導入支援サービスを、DMPを通じて調達することを想定したカタログサイト「DMP デジタルマーケットプレイス α版」を2023年11月に公開しました。これを活用することで、行政機関は、カタログサイト上に登録されたサービスの中から調達仕様に対して最も適切なものを検索・比較・選択し、個別契約を行って調達できます。
「DMP デジタルマーケットプレイス α版」には、2024年4月19日時点で270事業者、300ソフトウェアが登録済みです。

[イメージ]デジタルマーケットプレイス(DMP)とは

出典:デジタルマーケットプレイスについて(デジタル庁)

Q.自治体のメリットは?どう活用すればよいですか?

DMPを通じて調達すると、自治体には以下の効果が見込まれるとされています。

  • 自分たちのニーズや目的でカタログを検索することで、今までよりも簡易により良いサービスを発見できる。
  • 必要なサービス単位での契約が可能となり、内製開発やアジャイル開発に対応しやすくなる。
  • 個別契約を行うだけでよく、調達プロセスが省略化できる。
  • 検索結果などをエビデンスとして保存することで調達の透明性や公平性を確保できる。

現在、「DMP デジタルマーケットプレイス α版」は、DMPによる調達方式をより利用しやすい環境にするための利用者体験の実証中です。自治体・事業者双方のニーズや操作性などの確認・調査を行い、その結果をもとにシステムの改修を進め、2024年度秋を目途にDMP正式版Webサイトをリリースする予定です。

α版で確認できる機能(一部ログイン必須)は、企画業務における技術調査、予算要求業務におけるソフトウェアとサービスの要求内容の検討、調達業務におけるソフトウェアとサービスの検索などです(下図赤枠部分)。

[イメージ]調達担当の行政職員の皆様におけるDMPの位置付け
出典:DMP(α版)行政向け ご利用ガイド(デジタル庁)

例えば、実現したい行政サービスが政策的な目標達成を前提としている場合には、その政策に適したソフトウェアの検索が容易になるよう、「デジタル田園都市国家構想」や「マイナンバーカード対応」といった政策タグが付与されているため、政策タグを検索条件にして絞り込むことができます。
また、少額随意契約や入札公募の際に、ソフトウェア提供・販売事業者の情報を参考にして問い合わせするといった活用も可能です。行政向けご利用ガイドも公開されていますので、参照しながら操作してみることをお勧めします。

以上、DMPの概要と自治体におけるメリットについてご紹介しました。
DMPは、自治体におけるIT調達の効率化と透明性を高める重要な取り組みです。DMPを利用することで、IT調達にかかる時間や手間を削減でき、本来の業務に集中することができると期待が寄せられています。DMPが自治体のデジタル化と行政改革にどのような変革をもたらすか、今後の展開にも注目していきましょう。

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