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AI・ビッグデータを活用し、社会のあり方を根本から変えるような都市設計の動きが国際的に急速に進展しています。そんな中、内閣府特命担当大臣(地方創生)の下、「スーパーシティ」構想の実現に向けた有識者懇談会(以下「懇談会」という。)が開催されています。懇談会での検討事項などを中心に「スーパーシティ」構想についてご紹介します。

第四次産業革命を先行的に体現するまち

「スーパーシティ」とは、第四次産業革命を先行的に体現する最先端都市を指します。
第四次産業革命は、IoTやAI・ビッグデータの活用で加速するといわれ、生産、販売、消費といった経済活動に加え、健康、医療、公共サービスなどの幅広い分野や、人々の働き方、ライフスタイルにも影響を与えると考えられています。

政府は、人々の暮らしやすさにおいても、ビジネスのしやすさにおいても世界最先端を行くまちづくりとして、この「スーパーシティ」の整備を検討しています。国家戦略特区制度を活用し、世界最先端の実装ができる場を国内に設けるなどして、AIや自動運転などの実証実験をまち全体で実施する予定です。

似たような取り組みに、IoTを用いて、エネルギーや資源などを効率良く使い、環境に配慮するいわゆる「スマートシティ」がありますが、「スーパーシティ」は、「スマートシティ」の進化版と考えることができます。
内閣府の「スマートシティ」の構築を通じたSociety5.0の実現や、総務省における「スマートシティ」の推進など、現在各省庁においてさまざまな実証がありますが、横展開や分野横断についてはあまり進んでいません。これに対し、「スーパーシティ」構想は、情報系/都市インフラ系を統合的に最適設計するものとなります(最先端技術を分野横断で活用して都市をまるごと設計)。

行政と企業が連携した海外の事例

海外ではすでに「スーパーシティ」構想のもと、企業と行政が連携し、AI分析やビッグデータを活用した街づくりがなされています。

たとえば、カナダのトロント市では、大手IT企業と連携して、ヒト・モノの動きをセンサーで把握し、ビックデータを活用した都市計画が進行中です。住民や関係者との意見交換会を開催しながらマスタープランの取りまとめをする予定です。

また、中国の杭洲市では、大手IT企業と連携して、道路ライブカメラの映像をAIで分析し、異常を認めた場合に警察へ自動通報したり、交通状況に応じ信号機の点滅を自動で切り替えて渋滞を緩和したりと、交通取り締まりや渋滞対策に役立てています。なお、このシステムはマレーシアなど他の地域にも導入される予定です。

[イメージ]各国における取組事例
出典:各国における取組事例(首相官邸)

日本政府がめざす「スーパーシティ」の基本コンセプト

懇談会では、「スーパーシティ」構想について、基本コンセプトを取りまとめました。
先行して実現したい各領域の未来像を下記としています。

  • 移動:自動走行、データ活用による交通量管理・駐車管理 など
  • 物流:自動配送、ドローン配達 など
  • 支払い:キャッシュレス など
  • 行政:ワンスオンリー など
  • 医療・介護:AI ホスピタル、データ活用、オンライン(遠隔)診療・医薬品配達 など
  • 教育:AI 活用、遠隔教育 など
  • エネルギー・水:データ活用によるスマートシステム など
  • 環境・ゴミ:データ活用によるスマートシステム など
  • 防災:緊急時の自立エネルギー供給、防災システム など
  • 防犯・安全:ロボット監視 など

これらを実現するために、実証事業レベルではなく、2030年頃に実現される未来像として、「域内は自動走行のみ」、「域内は現金取り扱いなし」など、少なくとも5領域以上を域内限定で完全実施するとしています。さらに、領域を超えた横断的データ連携基盤の構築もめざします。

「スーパーシティ」の実装技術と支える仕組みのイメージ[イメージ]「スーパーシティ」の実装技術と支える仕組みのイメージ
出典:「スーパーシティ」構想について(首相官邸)

ポイントとなるのは、住民の参画が前提としてあり、住民の合意形成を促進・実現できる、ビジョンとリーダーシップを備えた首長とそれを支える組織、そして、世界最先端の技術を実装できる、中核となる企業で構成されるという点です。域内の開発と運営、国の役割については、国・自治体・民間で構成する機関(従来の特区の区域会議をさらに充実・強化した、いわばミニ独立政府)が、域内の開発と運営の主体となり、国は必要なインフラ整備を迅速に行います。

今後は、海外調査と制度の詳細検討を経て、2019 年1月に最終報告を行います。
春には制度整備をスタートし、夏以降にエリア公募、選定そして、各エリアでの開発計画策定や、インフラなどの整備、運営といったスケジュールが予定されています。

参考

(2019年1月15日 公開)

  • * 記事の内容は配信時点での情報をもとに作成しているため、その後の動向により、記載内容に変更が乗じている可能性があります。

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