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Q.政府が考える今後のまちづくりの方向性について教えてください

前田
はい。国土交通省が設置した「都市の多様性とイノベーションの創出に関する懇談会」により2019年6月に「『居心地が良く歩きたくなるまちなか』からはじまる都市の再生」が提言されました。2014年に施行された改正都市再生特別措置法によって立地適正化計画制度が創設され、コンパクトシティの取り組みが本格化してから2019年で5年になります。提言では、コンパクトシティなどこれまでの都市再生の取り組みをさらに進化させ、街路、公園、広場などの官民のパブリック空間をウォーカブルな人間中心の空間へ転換し、民間投資と協調して「居心地が良く歩きたくなるまちなか」を形成することが必要だと述べられています。

[イメージ]「居心地が良く歩きたくなるまちなか」からはじまる都市の再生

  • 出典:「都市の多様性とイノベーションの創出に関する懇談会」中間とりまとめ 概要(国土交通省)

今後のまちづくりの方向性である「居心地が良く歩きたくなるまちなか」の「10の構成要素」をまとめています。そのうちの二つの要素を次に紹介します。

仮設・暫定利用、実験などLQC(Lighter、Quicker、Cheaper)アプローチに力を込める。
LQCアプローチとは、最初から大規模なプロジェクトを実施するのではなく、小規模な取り組みを社会の変化に対応しながら少しずつ段階的に育てて、最終的に大規模なプロジェクトに移行していく方法のことです。このように、今後のまちづくりには、多様な使い方や考え方を取り入れて、暫定利用や一時的な実験の取り組みを重ねていくことが求められます。東京都千代田区の丸の内仲通りでは、「芝生のチカラの活用による周辺地域活性化」として、5日間限定で車道の1ブロックを芝生にして、日替りでイベントを開催し地区の賑わいの創出に寄与しました。この結果、ビジネスだけではなく、寛げる空間や心地よい空間も備えた地区の魅力を発信できました。
フィジカル空間にサイバー空間を融合させていく。
分野をこえる多様なデータを組み合わせ、分析・解析することで、個別の取り組みでは気づかなかったまちの課題を認識・発見できます。たとえば、駅の乗降客データと店舗の売り上げデータをもとに観光案内マッチングを検討するなど、一見関係がないように見えるデータの組み合わせから、まちの新たな価値を生み出します。

「居心地が良く歩きたくなるまちなか」が実現すると、まちなかに多様な人材・関係人口が集い、交流・滞在します。多様な人が交流することで、新しいアイデアに基づき試行錯誤や挑戦が繰り返されイノベーションが創出されます。同時に多様な人材や関係人口から、新たなつながり、コミュニティやサードプレイスが形成され、人間中心の豊かな生活が実現されます。最終的に、まちなかでの新たな価値の創造や、地域課題の解決をめざす、という考えです。
国土交通省は本提言を受け、「まちなかウォーカブル推進プログラム」として、2020年度予算概算要求、税制改正要望、検討会、事例集の作成などを進めています。

Q.国土交通省の「まちなかウォーカブル推進プログラム」はどのような取り組みですか?

前田
はい。「まちなかウォーカブル推進プログラム」とは、「居心地が良く歩きたくなるまちなか」による都市におけるイノベーションの創出と人間中心の豊かな生活の実現に向けて、国主導で進める施策のことです。

[イメージ]「居心地が良く歩きたくなるまちなか」からはじまる都市の再生

  • 出典:「都市の多様性とイノベーションの創出に関する懇談会」中間とりまとめ 概要(国土交通省)

2020年度予算概算要求にはウォーカブルなまちなか形成に対する支援、都市の魅力を高めるオンリーワン都市再生への支援、官民連携まちづくり活動への支援が、2020年度税制改正要望には公共空間の拡大につながる民地の開放・施設の改修などの推進が盛り込まれています。
また、本プログラムに賛同・協力して関連情報の共有や意見の提案などを行う「ウォーカブル推進都市」を募集し、200近い自治体が参画しています。なお、ウォーカブル推進都市は継続的に募集中です。
さらに有識者からなる「ストリートデザイン懇談会」を開催し、ストリートの使い方・作り方・支え方をまとめたガイドラインの策定に着手しました。今後はさまざまな分野の方々とともに、居心地のよい歩きたくなるストリートに向けて、多角的に議論し、2019年度内に中間とりまとめが公表される予定です。

よくわかりました。ありがとうございます、前田さん!

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