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Q.政府が創出・拡大を推進している「関係人口」の現状はどうなっていますか?

前田
はい。「関係人口」とは、「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様にかかわる人々を指す言葉です。地方圏は、人口減少・高齢化により、地域づくりの担い手不足という課題に直面していますが、地域によっては若者を中心に変化を生み出す人材が地域に入り始めているなど、今後は「関係人口」と呼ばれる地域外の人材が地域づくりの担い手となることが期待されています。
政府は、2018年度から「関係人口の創出・拡大」に対し予算を充てて取り組んできました。2019年9月、国土交通省はその取り組みの実態調査として、18歳以上の三大都市圏に居住する約三万人を対象にインターネット上でアンケートを実施しました。その結果、三大都市圏に居住する18歳以上の人(約4,678万人)のうち、約2割強(約1,080万人:推計値)が日常生活圏・通勤圏以外の特定の地域を訪問している「関係人口」であることがわかりました。

[イメージ]三大都市圏における関係人口の存在

  • 出典:関係人口の実態把握(国土交通省)

今回の調査で、三大都市圏の18歳以上の居住者のうち、約2割強が定期的・継続的に特定の地域を訪問している「関係人口」として存在していることはわかったものの、「関係人口」を知っている、または聞いたことがある人の割合は1割を切っており、「関係人口」の認知度はまだ低いこともわかっています。

[イメージ]「関係人口」はどの程度認知されているか

  • 出典:関係人口の実態把握(国土交通省)

一方で、「関係人口」を知らず、かつ「関係人口」ではない人のうち、日常生活圏・通勤圏以外へのかかわりに関心がある人が3割程度いることもわかりました。今後は、さらに「関係人口」の認知度を向上するとともに、日常生活圏・通勤圏以外の地域とのかかわりに関心がある人に「関係人口」になってもらう取り組みを進めていくことが重要と考えられます。
政府としても、第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の基本目標に「地方とのつながりを築く」として関係人口を地域の力とする目標を設定したり、2020年度の総務省予算案で「地域との多様な関わりの創出(関係人口の創出・拡大等)」として2.9億円を計上したりするなど、さらなる取り組みを進めようとしています。

Q.「関係人口の創出・拡大」の取り組みについて、具体的に教えてください

前田
はい。内閣府では、関係人口になるきっかけづくり・土壌づくりと、受け入れ地域における取り組みの両面を関係省庁と連携し進めています。具体的には、関係人口の創出・拡大に取り組む自治体、民間事業者・団体などを会員とする官民連携のプラットフォームの設立をめざした「関係人口の創出・拡大に係るプラットフォーム構築に関するアイディア募集」や、「関係人口の創出・拡大に向けた民間事業者等からのアイディア募集」を2020年に実施しました。

総務省では地域外の人が関係人口となる機会・きっかけの提供に取り組む自治体を支援しています。具体的には、関係人口の主要なターゲットである人の属性によって団体の取り組みを5パターンに定義し、パターンごとに「関係人口創出・拡大事業」のモデル事業を公募し支援しています。

関係深化型(ゆかり型)
その地域にルーツがある人などを対象に関係人口を募る仕組みを設け、地域と継続的なつながりを持つ機会を提供する取り組み。
関係深化型(ふるさと納税型)
ふるさと納税の寄附者を対象に地域と継続的なつながりを持つ機会を提供する取り組み。
関係創出型
これから地域とのかかわりを持とうとしている人を対象に、地域と継続的なつながりを持つ機会・きっかけを提供。具体的には、地域の課題やニーズ、関係人口となる方の想いやスキル・知見から、双方をマッチングするための支援機能を形成する取り組み。
裾野拡大型
都市部などにあるNPO・大学のゼミなどと連携することで、都市部の住民などの地域への関心を高めるための取り組み。
裾野拡大(外国人)型
地域住民や地域団体などと連携し、外国人との交流を促進し地域(地域住民や地場産業)との継続的なつながりを創出する取り組み。

[イメージ]『関係人口』ポータルサイト 令和元年度採択団体(総務省)

  • 出典:『関係人口』ポータルサイト 令和元年度採択団体(総務省)

これら5パターンのうち、どの自治体がどういった取り組みをしているかなどの具体的な情報は「『関係人口』ポータルサイト」で確認できます。たとえば、「関係深化型(ゆかり型)」のモデル団体である宮崎県五ヶ瀬町では、中高一貫校の卒業生を対象に政策提案を募集し、政策提案に関するスタディツアー、審査・表彰、実践活動を行うことで、関係人口を創出するとともに、地域の課題解決を図っています。進学のため地域を離れた大学生が、大学の友人とともに町への政策提案を行い、その実現のため活動するといった成果も上がっています。ほかにも、「関係創出型」のモデル団体である奈良県下北山村では、都市部の学生が地域住民との交流を通じて、空き家を改修し拠点を創ることで、継続的に村とかかわりを持つ事業を進めています。地域おこしに興味がある都市部の学生が継続的に訪問、活動し、さらには村をフィールドとして活動する学生団体を創立するなどの成果が上がっています。
「『関係人口』ポータルサイト」では、モデル事業以外の取り組みも、「観光資源、天然資源や特産品生産地のオーナー制度、協同保全活動」「住民と協働した地域づくり活動のサポート」「地域づくりの学びと実践」などと分類して紹介しています。
総務省では、ほかにも地域の人たちとの交流や学びを通じてリアルに地域のくらしを体験できる「ふるさとワーキングホリデー」や、サテライトオフィス開設を検討する企業がお試しでサテライト勤務を体験できる「お試しサテライトオフィス」などの取り組みを進めています。

今後は、こうした政府の施策をきっかけに取り組み事例の数が増え、より多くの人々が「関係人口」の取り組みへの関心を持ち、取り組み自体がさらに活性化していけるとよいですね。

よくわかりました。ありがとうございます、前田さん!

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