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[イメージ]新たな地域経済分析システム「V-RESAS」とは

新たな地域経済分析システム「V-RESAS」とは

読んでナットク!自治体ICT

内閣府地方創生推進室と内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局により、2020年6月30日に新たな地域経済分析システムである「V-RESAS」が提供されました。
V-RESASは、新型コロナウイルス感染症が地域経済に与える影響を可視化するものです。リアルタイムに近い形で経済のバイタルサイン(Vital signs of economy)を把握できるようにすることで、自治体の政策立案や金融機関・商工団体の中小企業支援をサポートすることを目的としています。

新型コロナウイルス感染症が地域経済に与える影響を可視化

V-RESASのトップページには、全国の移動人口の動向が表示されています。前年同週比の増減率で都道府県ごとに色分けされていて(オレンジが増、青が減)色が濃いほど率が高くなっています。それ以外にも、「決済データから見る消費動向」「POSで見る売上高動向」「飲食店情報の閲覧数」「宿泊者数」「イベントチケット販売数」「キーワードの検索人数」「求人情報数」といった情報を確認できます。

[イメージ]V-RESASトップページ
出典: V-RESASトップページ (2020年11月17日閲覧)に追記(赤字部分)

全国ではなく地域ごとについて調べたいときは、ページ上部のプルダウンメニューから都道府県を選択すれば、選択した都道府県のグラフが表示されます。人流メニューでは、滞在人口の動向(前年同週比)と都道府県をまたいだ移動のグラフが表示されます。ある地点(主要駅)に滞在した人はどこから来ているのか(同じ市内なのか、県内なのか、県外なのか)、あるエリアに滞在している人はどの都道府県から来たか、あるエリアに居住している人がどの都道府県に行ったか、などを把握できるため、例えば、感染予防のための活動自粛を検討する際の根拠として役立てることができます。

[イメージ]V-RESAS愛媛県 人流 滞在人口の動向
出典: V-RESAS愛媛県 (2020年11月17日閲覧)

また、有識者による解説コラムも更新されており、V-RESASで可視化されたデータをどのように読み解いているのかという参考になりますので、こちらも一読されることをおすすめします。

RESASとの違い

すでに提供されている「RESAS」との違いは何なのでしょうか?
V-RESASとRESASのどちらも、いわゆるビッグデータを集約して可視化するシステムですが、大きな違いは元となるデータです。
V-RESASでは、人流・消費・飲食・宿泊・イベント・興味・関心・雇用といったデータが、毎週更新のペースで提供されています。これにより、リアルタイムに近い形で把握できますが、新型コロナウイルス感染症が地域経済に与える影響を把握するためのものなので、基本的に前年との比較になります。

一方、RESASのデータは政府が官民のデータを調達・加工した上でインターネットに公表しているため、リアルタイムというわけにはいきませんが、メニューが豊富です。そのため、最近の動向を把握するのはV-RESAS、詳細に地域の分析をするのはRESASを利用するというように、使い分けるのが良いと思われます。

自治体での活用をサポートする取り組み

昨今、行政分野においてEBPM(証拠に基づく政策立案)が推進されており、RESASを利用して政策の検討・立案を行っている自治体も増えてきています。
内閣府沖縄総合事務局の調査結果では、RESASの認知度は66%で、知っていて利用したことがある人の割合は63%。さらに今後のRESASの利活用意向は7割という結果が出ています。

政府も自治体のRESAS活用をサポートするため、RESASの基本操作や応用方法などを学べるようなさまざまな取り組みを実施しています。
例えば、2015年度より開催されている自治体向けのワークショップでは、自治体に産業・観光・人口などの分野の有識者を派遣し、RESASを用いた分析へのアドバイスを行うとともに、RESASを活用した政策立案に関して職員と議論を行っています。ワークショップの結果は公表されていますので、他の自治体がRESASを活用してどのように政策立案をしていったのかをご覧いただけます。

さらに、おすすめしたいのが「RESAS for Teachers」です。
このWebサイトで提供されている教材は、基本的には教職員向けですが、データを通じた探究学習の普及および地域人材の育成強化が目的とされています。そのため、「訪日外国人の動向理解」や「地域の課題を発見し解決に取り組む探究学習」といった教材もあり、自治体の方にとっても有意義なものとなっています。教材を新人研修などで活用するのもよいかもしれませんね。

最後に操作マニュアルがダウンロードできるWebサイトをご紹介します。マニュアルのほか、FAQや用語解説もあるので、以下リンクよりご確認ください。

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