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[イメージ]5Gが地域にやってくる

5Gが地域にやってくる

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次世代のモバイル通信として5G(第5世代移動通信システム)のサービス開始が間近に迫っています。
5Gは、「超高速」「超低遅延」「多数同時接続」という特徴があります。家電や車など身の回りのあらゆる機器がつながったり、遠隔地にいてもロボットなどの操作をスムーズに行うことができたりと、次世代のネットワークとして注目されています。

さまざまな分野での活用が期待されていますが、今回は地域における社会的課題の解決や地方創生への貢献などにスポットをあてて、5Gが地域の課題解決や地方創生にどのように寄与するのか利活用のイメージをご紹介します。

[イメージ]第5世代移動通信システム(5G)の3つの特徴
出典:5Gとは?5G利活用アイデアコンテスト(総務省)

2020年の実現に向けて

以前ご紹介したように、自治体が、企業などと連携したサービスを5G上で展開することで、産業構造の変化を引き起こし、新たな市場を創出したり、社会的課題の解決や地方創生に貢献したりすることが見込まれることから、特に地方において5Gの早期実現が期待されています。

総務省では2020年の実現にむけて、5Gを活用した地域課題の解決モデルを検討してきました。さらに、5Gを社会実装するためのユーザー参加型の実証実験を2017年5月より実施しています。2017年度の実証については、まとめ動画が公開されています。

5G利活用アイデアコンテスト

一方、地域発の発想で5Gを利活用した地域の課題解決や産業の振興に役立つアイデアを表彰するコンテストも実施されています。785件の応募があった中、自治体では福井県永平寺町と大分県がそれぞれ受賞しました。どちらのアイデアも地域の実情に沿った課題解決のための5G利活用となっています。

たとえば、永平寺町総合政策課のアイデアは、雪害対策への活用を提案する内容でした。
豪雪地帯においては、除雪に関する労力とコストが課題ですが、5Gを活用して負担軽減と経費の削減の両方をかなえようというものです。
具体的には、5Gネットワーク上のセンサーから積雪情報を収集して積雪量を見える化。それを元にチェーン規制や道路情報をプッシュ通知したり、AIが除雪ルートを自動設定したり、問い合わせ対応したりするほか、遠隔操縦による除雪車の制御や、ドローンの自動運転による屋根の雪下ろしなども想定されています。

[イメージ]5G 近未来の雪害対策(イメージ図)

大分県は、濃霧の高速道路でも安全に走行できる運転補助システムの確立を提案しました。沿道センサー、赤外線車載カメラなどから位置情報・速度・映像データなどを取得し、クラウド上のAIがそれらの情報と気象・地図データなどの情報をもとに運転をサポートする情報を各車両へ発信するというものです。これにより濃霧による通行止めが回避され、観光面の経済損失やビジネスにおける機会損失が最小限に抑えられることが期待されます。

[イメージ]濃霧の中でも安全に走行できる運転補助システム

「ローカル5G」は地域の新たなビジネスチャンスとなるか

通信ニーズの多様化により、柔軟な利用環境構築へのニーズも増えてきます。セキュリティレベルや通信網の構成など、それぞれの利用目的に特化した無線通信システムの構築が求められるようになるからです。
総務省では、携帯電話事業者による5Gサービスの提供に加えて、地域のニーズや産業分野の個別ニーズに応じ、特定の地域や工場内など限定エリアで柔軟に構築・利用可能な5Gをローカル5Gとして、周波数割り当ての基本方針や技術的条件などについて検討しています。

ローカル5Gの基本コンセプトは、以下とされています。

  1. 5Gを利用していること
  2. 地域において、ローカルニーズに基づく比較的小規模な通信環境を構築するものであること
  3. 無線局免許を自ら取得することも、免許取得した他者のシステムを利用することも可能であること

これらは、携帯電話事業者でなくても5Gサービスを提供できること、携帯電話事業者の基地局がない場所でも5Gを利用できることを示しています。地域限定の周波数を使用する専用ネットワークとして、セキュリティを確保したした独自のネットワークを構築することなどが可能になるため、ローカル5Gは、地方創生のための新しいビジネスを生み出す可能性を秘めていると期待されています。

[イメージ]ローカル5Gのサービスイメージ

  • 出典:情報通信審議会情報通信技術分科会 新世代モバイル通信システム委員会報告(案)(総務省)

ローカル5Gの具体的な導入イメージも議論されています。鉄道、農業、工場・プラント施設、エンタメ施設など、さまざまな分野・場所でのサービスイメージが考えられ、自治体では、防災システムへの活用が想定されています。
災害現場の状況把握にドローンなどの遠隔操作や自動運転によって映像伝達することを考えた場合に5Gの「超高速」「超低遅延」「多数同時接続」なネットワークは、効率的な防災・減災の仕組みづくりに役立つと考えられますし、災害時には爆発的な通信の集中で発生する通信混雑などに影響を受けない自営の通信システムが望ましいので、ローカル5Gが適しているといえるでしょう。

以上、もうすぐサービスがスタートする5Gについて、地域での利活用イメージを中心にご紹介しました。
政府は新IT政策大綱案に、2年以内に全都道府県でのサービス開始をめざして5G環境を整備することや、2019年内にローカル5Gを制度化することを盛り込むなど、5Gの普及を急いでいます。
IoT時代を支える社会インフラとしてさまざまな分野での利活用が進むことが予想されますので、今後の動向も見逃せませんね。

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