教えて!自治体ICT
はい。政府は、SDGsを活用すると地域における課題解決が一層促進されると考え、地方創生においてSDGsが重要であるとしています。前回ご紹介した第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」でも、新規に追加された横断的な目標の中に「地方創生SDGsの実現などの持続可能なまちづくり」が盛り込まれています。
では、なぜSDGsを活用すると地域における課題解決が促進されるのでしょうか。SDGsでは、17のゴール、169のターゲットが設定されるとともに、進捗状況を測るための約230の指標(達成度を測定するための評価尺度)が提示されています。地方創生の取り組みを進めるにあたってSDGsが重要とされる理由は、これらの指標を活用することで次のような効果が得られるためです。
このように、SDGsを活用すると、課題解決の達成度を客観的に図れるとともに、ステークホルダー間の理解や連携も進められ、さらに事例は国内外問わずユースケースとして活用できるため、地域における課題解決が一層促進されると政府は考えています。
政府が具体的に進めている「地方創生SDGs」の推進にあたっての取り組みを紹介します。
政府は、動画や冊子での地方創生SDGsの普及促進活動とともに、「SDGs未来都市・自治体SDGsモデル事業」、「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」「地方創生SDGs金融」などの取り組みを進めています。なお、「SDGs未来都市」とは、SDGsの達成に向けて優れた取り組みを提案している都市を選定する取り組み、「自治体SDGsモデル事業」とは特に先導的な取り組みとなっている事業を選定する取り組みです。また、「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」とは、自治体、地域経済に新たな付加価値を生み出す企業、専門性をもったNGO・NPO・大学・研究機関など、幅広いステークホルダー間とのパートナーシップを深める官民連携の場のことです。「地方創生SDGs金融」とは、地方創生に向けた地域のSDGs推進に役立つビジネスに一層の民間資金が充当され、地域における自律的好循環が形成されるよう、地域事業者、自治体、地域金融機関、機関投資家・大手銀行・証券会社などのステークホルダー間の連携を促す取り組みです。
これらの取り組みを通して、2019年11月時点では約13%である都道府県および市区町村におけるSDGsの達成に向けた取り組み割合を、2024年には60%にする目標を掲げています。
はい。自治体においてSDGsの取り組みを始める際は、まず政府が作成している「SDGs取組チェックリスト」で自治体の現状を把握することをお勧めします。「SDGs取組チェックリスト」では、次の5ステップが提示されています。
「SDGs取組チェックリスト」を活用すれば、所属している自治体がどのステップにいるか、次のステップに進むためには何が必要かが明確になります。「SDGs取組チェックリスト」には、政府が示している「自治体でのSDGs達成に必要な取り組み」が盛り込まれているため、チェックリストに従ってステップを進めることで、自治体のSDGsの取り組みも進められます。
なお、「ステップ3:SDGsの取組に関する目標・指標設定について」に取り組む際は、政府が2019年8月に発表している「地域創生SDGsローカル指標」(第1版)が活用できそうです。SDGsにおける約230の指標は世界共通のグローバルな指標です。そのグローバル指標を日本の各地域における課題解決に活用しやすい形式にしたものが「地域創生SDGsローカル指標」になります。「地域創生SDGsローカル指標」としては、政府がまとめている共通指標(全国共通の指標)以外にも、独自指標(自治体独自の立場や目標を評価することのできる指標)を検討できます。各自治体が活用しやすい指標を選択・検討するとよいでしょう。
自治体においてSDGsの取り組みを進めることは、地域の課題の把握や、すでに地域で実施している取り組みの整理にもつながります。また、すでに実施している取り組みもSDGsを活用して紹介すれば、地域内外の方にも理解しやすくなります。世界の共通言語となるSDGsを活用して、地域の取り組みを進めるとともに、その成果を積極的に発信していけるとよいですね。
(2020年3月23日 公開)
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