教えて!自治体ICT
「自治体DX推進手順書」は、総務省が策定した「自治体DX推進計画」をふまえて、自治体が着実にDXに取り組むための参考資料です。以下3つの手順書と1つの事例集で構成されています。
手順書の1つは全体的な流れを把握するためのもので、残り2つは自治体DXの中でも目標時期が設定され全国統一的な取り組みである「自治体情報システムの標準化・共通化」と「自治体の行政手続のオンライン化」について、作業手順を示すものです。
名称 | 内容 |
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自治体DX全体手順書【第1.0版】 | 自治体がDXを推進するに当たって想定される一連の手順が示されています。 各ステップにおける基本的な考え方や実際の作業などが先進自治体の事例とともにまとめられています。 |
自治体情報システムの標準化・共通化に係る手順書【第1.0版】 | 標準準拠システムへの円滑な移行に資するよう(目標時期2025年度)、自治体において共通して想定される標準化・共通化の作業手順などがまとめられています。手順書の中では、「計画立案」、「システム選定」、「移行」の3フェーズに沿って作業項目が整理され、作業の概要や作業想定月数とともに、移行スケジュールのモデルケース例が示されています。 ただ、現行のシステム構成や契約の状況、推進体制の規模、ベンダーの標準準拠システムの開発時期などが、各自治体で多種多様なので、それぞれの自治体の実情に応じた移行計画を作成し、取り組みを進めることが重要とされています。 |
自治体の行政手続のオンライン化に係る手順書【第1.0版】 | 準拠すべき法律などをふまえて、自治体における行政手続のオンライン化の取り組み方針を示した上で、自治体内で推進体制を構築し、システムを導入して、運用を開始するまでの手順がまとめられています。 作業手順は、「推進体制の構築」、「オンライン化に取り組む手続きの検討」、「仕様検討・調達」、「サービスの導入、運用」の4フェーズに沿って整理され、合わせて全体スケジュールが示されています。 具体的な進め方として、自治体の基幹システムとぴったりサービスとのエンドトゥエンド接続について、標準的なシステム構成例が示されています。 |
参考事例集【第1.0版】 | 全体手順書で示された手順のステップごとに、自治体の先行事例をまとめているため、目次から事例が探しやすくなっています。一部、全体手順書の中でも紹介されていますが、詳細はこちらで確認できます。 |
参考:自治体DX推進手順書 概要(総務省)をもとに表作成
まずは、各自治体のDXの取り組みの実情に応じて、全体手順書を参考にされるのがよいでしょう。
例えば、DXに着手していない自治体においては、ステップ0から順に着手することが想定されていますので、手順通りに進めていくのがよいと思います。また、すでにDXを進めている自治体においては、その進捗状況によって必要な作業は異なるため、各自治体が必要と考える手順から実施することや、各手順で実施する内容を見直すことから進めてもよいでしょう。さらに、すでに取り組みを進めている場合であっても、改めて一連の手順に沿って取り組みを再構築することも効果的です。
加えて、以前お伝えしたように、「自治体DX推進計画」に示されている取り組みを一定の期間内に実現するには、各自治体において速やかに全庁的・横断的な推進体制を整え、現行のシステムの調査や、スケジュール策定をはじめとして計画的な導入に向けた検討を行うことが求められます。
なお、日立グループでは自治体のDXを強力に推進するため、「自治体DX推進計画」に対応するソリューションを新たに体系化しました。「住民手続きのデジタル化」、「職員環境のデジタル化」、「地域間連携などのデジタル化」、「自治体DXの推進基盤整備」を推進し、「自治体DX推進計画」の着実な実行を支援いたします。お困りのことがあれば、お気軽に問い合わせ窓口にご連絡ください。
「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」(総務省)を元に日立製作所作成
(2021年9月6日 公開)
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