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自治体の行政手続のオンライン化は、「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画(以下、自治体DX推進計画)」(2020年12月25日)の重点取り組み事項のひとつです。
取り組みにあたっては、デジタル化による利便性の向上を国民が早期に享受できるよう、「自治体DX推進計画」の中で「特に国民の利便性向上に資する手続」として定められた、以下に示す31手続のうち、子育て関係(15手続)、介護関係(11手続)の26手続に関して、2022年度中に原則全自治体でマイナポータルからマイナンバーカードを用いてオンライン手続を可能にすることとされています。
参考:「自治体DX推進計画」(総務省)
さらに、上記以外の各種行政手続についても、「地方公共団体におけるオンライン利用促進指針」(2020年3月4日改訂)を踏まえ、積極的にオンライン化を進めることが必要とされ、各自治体においては政府方針を踏まえた対応が進められています。そこで今回は、政府の推奨するシステム構成や、自治体の行政手続のオンライン化を実現する申請管理システムについてご紹介します。
各自治体が「自治体DX推進計画」の内容を着実に実施できるよう、政府によって手順書が策定されています。「自治体の行政手続のオンライン化に係る手順書【第1.0版】」(2021年7月7日)には、オンライン化に取り組むにあたっての詳細な手順を示すとともに、「マイナンバーカードを保有するメリットを住民が最大限享受できるよう、自治体において、行政手続のオンライン化に取り組む必要がある」と記載されています。
また、行政手続のオンライン化のメリットとして、「住民の利便性の向上」と「行政運営の簡素化・効率化」が挙げられています。利用者中心の行政サービス改革を徹底し、利用者から見て一連のサービス全体が「すぐ使えて」「簡単」で「便利」であることをめざして、行政手続のオンライン化を推進し、住民、自治体職員が以下のようなメリットを享受できる環境を整備するとの指針が示されました。
参考:自治体の行政手続のオンライン化に係る手順書【第1.0版】(総務省)をもとに作成
「自治体の行政手続のオンライン化に係る手順書【第1.0版】」では、マイナポータルと自治体の基幹システムのオンライン接続を実現するためのシステム構成例として、以下に示すように、連携サーバやFW(ファイアウォール)の設置、LGWAN接続系とマイナンバー利用事務系との接続に係る改修を実施し、連携サーバと基幹システム間のデータ連携に申請管理システムを導入することで、申請管理に必要な機能を集約する構成が示されています。
参考:「自治体の行政手続のオンライン化に係る手順書【第1.0版】」(総務省)、
「自治体の行政手続のオンライン化に係る申請管理システム等の構築に関する標準仕様書(概要)」(総務省)
さらには、「自治体の行政手続のオンライン化に係る申請管理システム等の構築に関する標準仕様書」(2021年9月30日)が公開され、マイナポータルからの申請データの取り込みや、シリアル番号の変換、申請内容を審査・承認するための内容照会および審査状況の管理、自治体の業務システムとの申請データ連携方法などの仕様が示されました。
各自治体においては、行政手続の申請データを審査・管理し、基幹システムへエンドトゥエンドで連携するための新たな申請管理システム整備に向けた検討が推奨されています。
日立製作所は、これらの政府の方針を受けて、標準仕様に準拠した申請管理システムを新たに開発しました。日立の申請管理システムは、自治体の行政手続のオンライン化を推進し、住民の利便性の向上、職員の業務効率化をサポートします。
ぴったりサービス(マイナポータル)と連携する申請管理システムの導入イメージを以下に示します。
なお、申請管理システムの整備にあたっては、以下のポイントが重要になると考えています。
日立の申請管理システムは、上記ポイントを踏まえて、優れたUI/UX、柔軟な拡張性によって、さまざまな申請手続に対応し、エンドトゥエンドの行政手続のオンライン化を実現します。
また、今後さらにさまざまな手続がオンライン化していくことが想定され、柔軟に対応可能な申請管理システムを構築しておくことは、自治体職員の作業負荷を軽減する上でも重要になると考えられます。
日立は、行政手続のオンライン化推進に向けたシステムの導入をサポートし、住民の利便性向上や自治体職員の業務効率化を支援したいと考えています。
(2023年1月10日 公開)
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