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近年、耳にする機会が多くなった「Well-Being」。Well-Beingという言葉は、1948年に世界保健機関(WHO)憲章前文で「健康」の定義としてはじめて登場しました(*)。
政府の骨太の方針や成長戦略にも盛り込まれるなど、さまざまな文脈で語られていますが、多くはこの「健康」の定義が用いられています。
2022年6月に公表された「デジタル田園都市国家構想基本方針」でも中心的な概念となっており、市民参加型のまちづくりにWell-Being指標を活用する検討が進められています。

* 「健康とは、病気ではないとか、弱っていないというわけではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべて満たされた状態(Well-Being)にあることをいいます(日本WHO協会仮訳)」

Q.まちづくりにWell-Being指標を活用するねらいとは?

地域が抱える社会課題を解消するために、スマートシティの取り組みを推進する自治体は増えています。しかし、これまでのまちづくりにおいては、複数事業を包括する街全体でめざす価値観の明示が不十分であったり、それぞれの事業がめざすまちづくりの目的や取り組みがバラバラであったり、KPIも事業ごとに設定されたりするなど、相互の関連性が低いという課題がありました。

[イメージ]Well-Being指標の活用
出典:デジタル田園都市におけるWell-Being指標の活用について(デジタル庁)

デジタル田園都市国家構想で地域におけるWell-Beingを計測する指標として活用されることとなったのが、一般社団法人スマートシティ・インスティテュートが開発・普及に取り組んできた「Liveable Well-Being City指標(LWC指標)」です。LWC指標は、客観指標と主観指標のデータをバランスよく活用し、市民の「暮らしやすさ」と「幸福感(Well-Being)」を数値化・可視化したものです。以下の目的と体系図(3つの領域に分類された5つの指標)で構成されており、自治体に市民目線での政策立案(EBPM)に役立ててもらうことをめざしています。

■目的

[イメージ]LWC指標の概念と導入目的

■体系図

[イメージ]LWC指標の構成
出所:一般社団法人スマートシティ・インスティテュート「Liveable Well-Being City指標」

このような指標を活用することで、地域全体でめざしたい姿が具体的になり、地域のさまざまなプレーヤーが自分たちの活動を評価しやすくなります。

Q.デジタル田園都市国家構想で指標はどう活用されるのですか?

まずは、デジタル田園都市国家構想推進交付金(Type2/3)の採択自治体を中心に、任意で指標の活用が進められる予定です。以下のスケジュールで、分析作業や計測結果を踏まえ、翌年度に向けてさらに計測ツール(アンケートやデータ取得Webサイトなど)を改善し、活用自治体を拡大していくとしています。

[イメージ]Well-Being指標の活用スケジュール


出典:デジタル田園都市におけるWell-Being指標の活用について(デジタル庁)

日立は、そこに暮らす人たちのWell-Beingを高めるような人中心のまちづくりや、デジタル化の推進を支援することで、すべての人のQoL向上と「私が私らしく生きられる社会」の実現をめざしています。

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