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執筆:森重 福一(自治体ICTコンサルタント)
2021年12月24日に「デジタル社会の実現に向けた重点計画(以下、新重点計画)」が閣議決定されました。新重点計画は、「デジタル社会形成基本法」に基づいて、政府がめざすデジタル社会やその実現に向けた基本的な施策をまとめたものです。
今回は、新重点計画の概要をまとめた上で、自治体のDX推進計画などの見直しの必要性を考えていきます。
新重点計画は、次の目的で策定されました。
政府は、「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」にて、「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会」の実現をめざすと明記しています。また、実現に向けては、新重点計画の中で以下のとおり言及しています。
多様な幸せが実現できる社会の実現は、デジタル庁のミッションである「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」を進めることにつながります。デジタル庁は、次の6つの基本方針ごとに課題認識とめざす姿、そしてそれを実現するための取り組みを示しています。
出典:デジタル社会の実現に向けた重点計画(概要)(デジタル庁)
「誰一人取り残されない」デジタル社会の実現に向けて、個々人の多種多様な環境やニーズなどを踏まえて、利用者目線できめ細かく対応していくことにより、誰もが、いつでも、どこでも、デジタル化の恩恵を享受できるようにすることを理念として掲げています。また、オンライン化が自己目的とならないように、本来の行政サービスなどの利用者の利便性向上および行政運営の効率化に立ち返って、業務改革(BPR)に取り組むとともに、デジタル化の効果を最大限発揮するため、規制の見直しも合わせて行うとしています。
原則としては、デジタル社会形成のための基本原則、およびクラウド・バイ・デフォルト原則を掲げています。
デジタル社会の実現に向けた主な施策から、自治体に関連するものをピックアップしました。
新重点計画は継続的にバージョンアップが予定されており、次期重点計画は2022年中頃の策定をめざしています。
それにともない、各自治体では、次期重点計画の流れを注視し、自治体の取り組みへ反映を行うことが必要となります。
参考:今後のデジタル改革の進め方について(デジタル庁)
総務省が策定した「自治体DX全体手順書」においては、自治体でのDX推進担当部門の設置を推奨しており、DX推進担当部門を司令塔として、全庁的・横断的な推進体制の構築を進めるとともに、各部門の役割に見合ったデジタル人材が配置されるように人材を育成、および外部人材の活用を図ることが記載されています。
引き続き自治体DX推進にあたり、自治体の皆さまが注目すべき情報をご提供していきます。
森重 福一(自治体ICTコンサルタント)
株式会社 日立システムズに入社し、前半は中央官庁のSEとして大規模プロジェクトを経験、後半は自治体のパッケージ開発部門で電子自治体や地域情報プラットフォーム対応に携わる。日立システムズ退社後も、国や自治体関連のコンサルティング業務をメインに活動中。自治体クラウドやマイナンバー対応に携わり、個別案件の提案、講演会、勉強会、ユーザー会などを精力的に取り組み最新情報の共有、発信に努めています。
(2022年2月22日 公開)
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